有意水準とP値

有意水準とP値を一緒だと思っていませんか?

有意水準とP値を,混同して使われている方にしばしば出会います。ですが,この2つの用語は全く別物ですので,このページではっきりとさせましょう。全然難しくありませんので。

 

赤点のボーダーラインは?

みなさん,中学や高校の時のテストで「赤点」って聞いたことがあると思います。私も,苦手科目では赤点を何度か出したことがあります。。
実は,この赤点と,有意水準やP値ってかなり似ているのです。
赤点は,テストの点数が40点未満であった場合に,赤点と言われます。つまり,40点というのが赤点かそうじゃないかのボーダーラインになるのです。40点を境に,合格か赤点かが決まる。それって,検定と似ていると思いませんか?

 

ボーダーラインが有意水準

赤点のボーダーラインは40点でした。
では,統計学的検定で「有意 / 有意じゃない」を判定するボーダーラインはどこでしょうか?
実はこの,検定におけるボーダーラインのことを有意水準と呼んでいます。そして,P値がその有意水準を下回った場合に,有意であったという結論を導くことが出来るのです。
つまり,有意水準が赤点のボーダーラインであり,P値がテストの点数なのです。

 

ボーダーラインは変えられる?

これを知っておくと,実は「有意 / 有意じゃない」というのは,有意水準をどこに設定するか次第である,ということが分かると思います。
つまり,通常は皆さん5%に有意水準を設定しますが,それを緩くして10%にしたり,厳しく1%にしたりすれば,「有意 / 有意じゃない」という結論が変わってくるということです。ですが,検証的な臨床試験では,ICHガイドラインで両側5%とはっきり定められているため,有意水準を変えることは出来ません。裏を返せば,探索的な要素が強い試験では,5%にこだわる必要は全くないということです。

 

検定の手順に注意

有意水準がボーダーラインであることを知ると,有意水準はP値を出力する前に,事前に定める必要があるということが分かります。つまり,P値を算出してから有意水準を決めたのでは,後出しジャンケンと一緒だからです。
P値が0.08だったから,有意水準は0.1にしてしまえ!というスタンスでは,全くその検定に意味はなくなってしまいます。そのため,検定にはちゃんと手順があるのです。

  1. 仮説を立てる。
  2. 有意水準を設定する。
  3. P値を計算する。
  4. 有意水準とP値を見比べて,有意かどうかを判定する。

という手順です。2と3を入れ替えてしまうと,極端な話,全ての検定を有意にすることが可能です。赤点の例でもそうですよね。採点した後に「やっぱり今回の赤点のボーダーラインは50点にする」と言われたら,クレームが来るのは目に見えています。

 

まとめ

  • 有意水準は赤点のボーダーライン,P値はテストの点数と同じである。
  • 有意水準はP値を計算する前に事前に定めておくことが重要であり,検定はその手順が重要である。


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