バイアスの種類

様々なバイアス

こちらのページで解説しましたが,バイアスとは
「臨床試験の計画、実施、解析及び結果の解釈と関連した因子の影響により、
試験治療の効果の推定値と真の値に系統的な差が生じること」です。

 

では,具体的にはどのようなバイアスがあるのでしょうか?

 

一般的には,以下の3つの偏りに分類されます。

 

  • 選択バイアス
  • 情報バイアス
  • 交絡

 

です。

 

 

 

選択バイアス

選択バイアスとは,試験の対象となる
target population(目的母集団)とsampleの間に
偏りが生じてしまうことです。

 

例えば,世の中には大学病院のような最先端の研究を担う病院もあれば,
クリニックのような地方に密着した医療を提供する病院もあります。

 

もし臨床試験が大学病院だけで実施されれば,
その結果はクリニックの患者でも再現されるかどうか分かりません。

 

しかしその新薬は大学病院に限らずクリニックの患者さんにも届けたいわけですから,
Targetとなる集団と,試験に組み入れられる集団にはズレが出てしまっています。

 

このようなバイアスのことを選択バイアスと呼びます。

 

 

 

情報バイアス

情報バイアスとは,収集されたデータに偏りが生じてしまうことです。

 

例えば,非盲検で試験を実施した場合には,
試験治療を知ることで先入観が生じ,
データ収集が出てきます。

 

また,飲酒歴や喫煙歴の自己申告は、
過小申告の傾向がある,といったことも情報バイアスの一つです。

 

 

 

交絡

交絡は別ページで詳しく説明しますが,
ここでは一例だけ挙げておきます。

 

例えば解析の結果、
飲酒と肺がんの間に強い関連性が認められたとします。

 

しかしながら、飲酒習慣のある人には、喫煙している人が多いため、
肺がんを発症しやすいかもしれません。

 

この時に,喫煙は飲酒とも肺がんとも関連しているため,これを交絡因子と呼びます。

 

 

 

バイアスはどの段階で調整できるか
3つのバイアスを紹介しましたが,
これらのバイアスはどの段階で排除できるでしょうか?

 

試験デザインで排除できるものと,解析でも排除できるものがあります。
以下の表にまとめてみました。

 

バイアス

研究デザイン

統計解析

選択バイアス

×

情報バイアス

×

交絡

 

選択バイアスと情報バイアスは、
研究デザインを立案する時点で制御しなければならず、
データが収集された後に調整することができません。

 

一方、交絡は、研究デザインを立案する時点で制御したり、
あるいは統計解析の時点で調整する事も可能です。

 

したがって、バイアスを調整するために最も重要なことは、
データ収集を開始する前段階である研究計画を立案する時点で、
バイアスの制御を考慮した研究デザインを立てる事です。

 

 

 

まとめ

バイアスには選択バイアス、情報バイアス、交絡
の3つがある。

 

重要なことは、試験デザインで
バイアスの制御を考慮することである。



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