第I相試験とは?

SAD試験、MAD試験

第I相試験は、健康成人の被験者さんに協力してもらって、その薬剤の薬物動態、安全性及び忍容性を確認する段階です。その試験のデザインによって、単回投与試験(SAD;Single Ascending Dose)や反復投与試験(MAD;Multiple Ascending Dose)などと呼びます。非臨床で確認された、毒性が出る用量の何十分の一、何百分の一の用量で試験をしていきます。

 

漸増法

第I相試験では、最も少ない用量から安全性が確認でき次第、次の用量の試験をするという、用量漸増法という方法を用います。用量の上げ方は、大体3の公比で上げていくことが多いです。

 

なぜ健康な人に投与するのか?

第I相試験では、まず健康成人に投与します。この理由としては、何か有事のことがあったときに、健康成人の方が治癒しやすいということが挙げられます。第I相試験では、世界で初めてヒトに投与する試験でもあるため、万が一を想定した試験を組む必要があります。また、健康成人であれば比較的短期間で参加者を集めやすいこと、他の薬剤を使用していない場合が多いため、純粋にその試験薬の薬物動態を確認しやすいことが挙げられます。そして、健康成人でのSADとMADで安全性が確認された後、患者でのSADやMADを実施することがあります。

 

過去の悲劇

第I相試験で有名な悲劇としては、2006年に第I相試験が実施された「TGN1412」というモノクローナル抗体が有名です。6人の健康ボランティアに使用され6人全員が、直後から全身の痛みや呼吸困難を訴え、意識がなくなり1時間後には多臓器不全のためICUに入院したという事件でした。このように、安全性を担保して実施することが大前提ですが、それでも完全に安全である保障はできないのが臨床試験です。

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