比較対象の種類(プラセボ、実薬)

では何と比較するか?
このページで記載した通り、臨床試験の基本は比較ですが、
では何と比較するのでしょうか?

 

大きく分けて2種類の比較対象があります。

 

それは「プラセボ」と「実薬」です。

 

 

 

プラセボとプラセボ効果

プラセボは偽薬とも言いますが、
形や見た目は薬と全く同じなのに、
薬効成分は全くないものです。

 

つまり、全然効かないはずの薬ということです。

 

人の体には、とても不思議な一面があります。

 

この薬効成分がないプラセボを「薬かもしれない」と思って服用すると、
効果が出る方がいるのです。
薬(に似ているもの)を飲んだという安心感により、
自然治癒力が働いているのかもしれません。

 

この効果のことを「プラセボ効果」と呼びます。

 

薬効成分が入っていないものと比較することに意味があるの?
と思われる方もいるかもしれませんが、
このプラセボ効果というのは、とても侮れないのです。

 

特に臨床試験では、臨床試験に入っただけで
疾患が良い方向に向かうことも珍しくありません。

 

とくに生活習慣病などは、臨床試験に入ることでその方の意識が改善され、
生活習慣が改善される。
そのことによって、例えプラセボを投与されていたとしても、
疾患が改善されるというからくりです。

 

「病は気から」とはよく言ったものですが、
本当に意識を改善するだけで、疾患も改善する可能性があるのです。

 

 

 

実薬との比較

また、実薬との比較もよくなされます。

 

この場合、すでに市販されており、
かつ、標準治療として用いられている薬が対象薬として選ばれることが多いです。

 

この実薬が比較対象として用いられる理由としては、
いくつか挙げられます。

 

まず大きな理由としては、
プラセボが倫理的に許されない場合です。

 

例えば、致死的な疾患であり、
プラセボを投与することでその方が死んでしまうのであれば、
プラセボを対象とすることが倫理的に許されません。

 

その場合には、標準治療といて用いられる薬を対象とした、
実薬対象の臨床試験を実施する必要があります。

 

ですが、そうなると確実に、プラセボを対象とするよりも
優越であることを示すハードルが高くなります。

 

そのため、実薬対象とした場合には、優越性試験ではなく、
非劣勢試験というのと組むことがあります。

 

つまり、標準治療よりも「劣っていない」ということを示す試験です。

 

稀に実薬を対象とする優越性試験を見ることもありますが、
その場合には市販後の第一選択治療を目指した臨床試験として、
製薬会社の戦略によってそのような試験が実施されています。

 

 

 

まとめ

臨床試験で比較する対象としては、
プラセボと実薬の2種類がある。

 

基本的にはプラセボよりも優っていることを示す必要がある。

 

また、倫理的な側面、もしくは企業の戦略として、
実薬を対象とした試験が組まれることがある。



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