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統計学的検定の基礎

論文によくある被験者背景のP値。ここから何が読み取れる?

被験者背景情報のP値をどう見るか

論文を読んでいると、しばしば被験者背景情報でP値が記載されていることがあります。
これをどう捉えるべきか、みなさんはどう考えますか?
ここまで順番にページを読んでいただいた方なら、
恐らく私が言いたいことは何となく予測できるのではないかと思います。

被験者背景情報のP値は、本質的には意味がない

何度も同じことを言っているかもしれませんが
被験者背景のP値は、実は本質的に意味がありません。
理由は以下の通りです。
Clinical Questionが背景情報にない。
つまり、2群間の身長に差があるかどうかは、その試験で知りたいことではないはずです。
また、本当に意味がある差が検出されているのか、症例数の関係でP値が小さくなっているのかが分からない。
そして、多重性の問題で、たまたまP値が小さくなっているという可能性を否定できない、ということです。

逆に言えば、P値に限らず臨床的に意味のある差がありそうな背景情報は考察が必要

背景情報のP値が本質的に意味がないのであれば、
逆に言うと、臨床的に意味のある差がありそうな背景情報については、
その背景が結果に与える影響を考察する必要があるのです。
例えば、2群間でダイエットの効果を知りたいときには、体重が群間で1kgでも差があれば、
P値に関わらず、その違いがダイエットの結果に与える影響を考察する必要があります。
ですが、その試験が今度は視力回復効果を知りたいのであれば、体重の1kgの差はどうでもよいと考えますし、
それ以上に、試験開始時の視力というのが結果に与える影響を考察する必要があると考えるのは自然です。

数字に振り回されない

統計の専門家としての立場から言うと、統計を魔法のように使ってはいけないということです。
P値は便利です。
0.05を下回れば有意だ、という考えが全世界の研究者の頭の中にあるので、
0.05を下回るような結果を出せば、
何かすごい結果が出ているような印象を与えられるような気がしてくるものです。
ですが、P値をもう少し深掘りしてみると、
その結果には症例数が大きな影響を与えていることが分かりますし
そもそもClinical Question(帰無仮説や対立仮説)がないものについては
P値の解釈自体が難しいのです。

まとめ

被験者背景情報のP値は本質的に意味がない。
P値を解釈するためには、その裏にある情報(症例数、Clinical Question、多重性など)を理解する必要がある。
また、数値だけに踊らされずにちゃんと臨床的な意味を考えて考察する必要がある。

 

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