帰無仮説と対立仮説を5分で理解。犬と人の違いを証明できる?

帰無仮説と対立仮説を5分で理解。犬と人の違いを証明できる?

・帰無仮説って何・・・?

・対立仮説って・・・?

・そもそも検定するのになんで仮説が必要なの?

 

統計の検定といえば、P値が0.05を下回るかどうか。

それだけを考えていませんか?

確かにそれだけ知っていれば、結論の部分は解釈できます。

 

でも、ちゃんと仮説を知っておくことはすごく大切です。

なぜなら、P値がどういう考えで算出されるかを知ることで、試験のデザインを読み取ることができるためです。

もしあなたが、試験や実験を計画する立場であれば、仮説の理解は必須。

 

それほど難しい概念ではないので、是非とも理解しましょう!

 

差があることを、直接証明することは難しい

統計的検定の論理は、少しひねくれています。

どうひねくれているか。

「差がないことを否定することによって、差があることを証明する」

からです。

つまり、差があることの証拠を見つけるのではなく、差がないことの証拠を見つけることをします。

それにより、「差がないことはない→だから差があるでしょ」ということを言うのです。

ここでいう「差がない」という仮説、そして「差がある」という、2つの仮説があることで、統計学的検定は仮説検定とも呼ばれています。

 

犬と人は違うって、どうやって証明できる?

ここであなたに問題です。

「犬と人は違う」っていうのはどうやって証明できますか?

 

(どうやっても何も、見た目が全然違うじゃん・・・)

(何言ってるんだろ・・・)

 

そんな声が聞こえそうですww

でも、例としてはこれぐらい差がはっきりしているものが良いです。

この例を、統計的な仮説検定に落とし込んでみましょう。

明らかに違いがありそうな犬と人。

でも、証明するって難しいです。

だから、以下のように証明していきます。

 

統計的検定と同じ手順で犬と人は違うを証明してみる

1. 一度、「犬と人は同じ」と仮定する。

一旦、「犬と人は同じ」と仮定するのです。

証明したいのは「犬と人は違う」なのに、一度同じとみなしてみる。

ここがスタートになります。

2. 同じと仮定すると矛盾する点を見つける

次に、同じだと仮定すると、矛盾してしまう点を挙げていきます。

例えば、こんなものが考えられますね。

  • 2足歩行と4足歩行
  • 尻尾の有無
  • 全身の毛の有無
  • etc…

あなたは、どれだけ挙げられましたか?

3. すごく矛盾する点が多いので、 「犬と人は同じ」という仮定が間違っていたのだとする

2番目で、矛盾する点が多くあることに気づきました。

つまり「犬と人は同じ」という仮定をすることが間違っていたのだと気付いたのです。

4.よって、犬と人は違う、と結論づける

だから犬と人は違うんだということを、結論づけられます。

 

 

犬と人の例を、新薬とプラセボに置き換えてみる

犬と人の例と同じことを、新薬とプラセボに置き換えてみます。

 

1. 一度、「新薬とプラセボの効果は同じ」と仮定する。

まずは、同じだと仮定します。

2. 同じだと仮定すると矛盾する点を見つける

例えば、糖尿病の新薬だったら、HbA1cの低下具合の違い。

抗がん剤の新薬であれば、生存率の違い。

これらを、どれだけ新薬とプラセボで違いがあるのかを示します。

3. すごく違いが見つかったので、新薬とプラセボの効果は同じ」という仮説が間違っていたと気付く

1番目の仮説が間違っていたことに気づきます。

4. よって、新薬とプラセボの効果は違う」と結論づける

そして最終的に、違う、と判断します。

 

これが、統計的な仮説検定の大枠です。

理解できましたか?

 

 

統計用語で置き換えてみる

先ほどの2つの例で挙げた、1~4を、統計用語を使って説明します。

 

普通の教科書では、ここしか出てきません。

でも今のあなたは、例を理解しています。

スポンジに水が入ってくるような吸水力で吸収できるでしょう。

1. 帰無仮説を立てる

2. P値を算出し、有意水準(0.05)より小さいことを証明する

3. 帰無仮説を棄却する

4. 対立仮説を採択する

これが、統計の専門用語で示した1~4です。

これらの統計用語、あなたも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

 

無に帰したい仮説:帰無仮説

統計的仮説検定でよく見る「帰無仮説」。

文字通り、最終的には「無に帰したい仮説」です。

 

今回の例では、「犬と人は同じ」や「新薬とプラセボの効果は同じ」が帰無仮説です。

特徴は、本当に示したいことの逆が帰無仮説になる、ということ。

英語ではNull hypothesisと呼ばれます。

 

 

証明したい仮説:対立仮説

無に帰したい仮説がある。

じゃあ、本当に証明したい仮説もある、ということですね。

本当に証明したい仮説のことを「対立仮説」と呼んでいます。

英語ではAlternative hypothesisですね。

 

まとめ

統計学的検定を実施する際には,「帰無仮説」及び「対立仮説」を立てる必要がある。

仮説検定とも呼ばれるのが、この2つの仮説を立てるからである。

帰無仮説は無に帰したい仮説,対立仮説は採択したい仮説である。