Brain Network Analysisでよく使われている手法について理解したところをまとめてみる。
Brain Network Analysisで登場する用語
Brain Network Analysisで登場する用語は、一般的なネットワーク分析で登場する用語と被るものが多い。
ネットワーク分析の基礎について、用語に関してある程度わかっていることが前提で、解説されていることが多い。
そのため、Brain Network Analysisを学ぶには、まずは、一般的なネットワーク分析の基礎を知っている必要がある。
少なくともネットワーク分析で登場する用語についてだいたいイメージがついていることが必要だ。
過去記事でネットワーク分析の用語についてまとめているので、よければ参照してもらいたい。
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Brain Network Analysis におけるエッジ
Brain Network Analysisにおけるエッジ(結合、リンクというような意味)は、Cortical thickness correlationsであったり、Fiber connectionsであったり、Functional connectivityであったりする。
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下記の論文が、Cortical thickness correlationsの一例である。
どのようにしてCorrelationをネットワーク分析に転換するか
Correlation(相関係数)から、ネットワーク分析用のデータに変換する必要がある。
Correlationは、マイナス1から1までの幅があるが、ネットワーク分析のエッジは、1かゼロ、つまり、ありかなしかだけにする必要がある。
そこで、ネットワークの指標に閾値を決めて、その閾値のときのネットワークを定義する。
閾値に使われる指標として、Network Density(ネットワーク密度)がある。
Network Densityが決まると、結合ありとするエッジの数が決まる。
とするとエッジ「あり」とするCorrelationが決まってくる。
大きいCorrelationから残していくと、ある値未満のCorrelationは「なし」とするしかなくなる。
そうして2値化 (binarize) したものが、ある閾値におけるネットワークとなる。
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Weightedのグラフが相関係数の大小が考慮されたネットワークグラフとすると、Binaryのグラフはエッジがあるないに単純化したグラフと言える。
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下記のスライドでは % of highest correlations are considered as links とあるが、つながりがあるとするエッジを決める方法の一つが Network Densityを用いた閾値である。
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閾値を範囲で設定する理由
Brain Network Analysisでは、ノードの指標やネットワークの指標を、群間で比較するのに、閾値を範囲で設定して、連続した閾値で群間に統計学的有意差が認められることをもって、初めて統計学的有意と判断する手法をとっている。
このとき、閾値を範囲で設定する理由は何か?
それは、閾値を設けるとネットワーク構造が変わってしまうからである。
なので、一つの閾値だけでは、もとの全体像がわからなくなってしまう。
閾値を動かしてスペクトラムで全体像を理解するとよいと思う。
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ネットワークを構成するNodeの数が変わってしまうリスクもある。
ネットワークが分断されてしまう可能性がある。
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逆に、低い閾値を設定するとみな同じネットワークになってしまって違いを検出できないリスクもある。
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解決方法として、範囲を持った閾値を設定し、その範囲内で個々のネットワークを構築する方法をとる。
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実際、閾値の範囲内で、比較群間でNetwork Topologyが異なることを示すことができる。
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Network Topologyとは何か?
突然登場したNetwork Topologyとは何か?
Network Topologyは、ノードの指標やネットワークの指標の総称である。
ノードの次数(Degree)、次数中心性、媒介中心性、クラスタ係数など、各群に関連しているネットワークの指標は閾値に依存している。
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どのネットワーク指標が異なるのかを、閾値を変えても見られるかどうかで、群間のネットワーク指標が異なるかどうかを判断する方法をとっている。
Brain Network Analysisの方法論のおさらい
Brain Network Analysisの方法論の一つとして、まず脳構造の各部位の相関を計算する方法から始まるものがある。
閾値を設定して相関行列を、2値のありなしの行列(これを隣接行列という)に単純化する。
その閾値の時のネットワークを同定したら、ノード指標やネットワーク指標を計算して、群間比較する。
このような方法が、Brain Network Analysisの一つの方法である。
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まとめ
Brain Network Analysisの基礎として、脳構造のCorrelationから、どのようにネットワークを同定して、Network Topologyを群間で比較していくのか、おおまかな流れを紹介した。
実際のデータで、どのように計算していくかは、また調べがついたら、別の記事で共有したい。
Brain Network Analysisの論文例
参考動画
Kinds of Edges
Threshold and Binarization
Binary and Weighted Graph
Thresholding
Network Topology Basics
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