基礎知識– category –
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信頼区間の重なりで「差」を判断してはいけない理由
2つのグループの平均値を比較する際、多くの人がそれぞれの平均値の95%信頼区間が重なっているかどうかを見て、「統計学的に有意な差があるか」を判断しようとする。しかし、これは誤りである。実は、2つの信頼区間が重なっていたとしても、統計学的に有意... -
生物学的同等性試験における90%信頼区間の重要性
新薬開発や後発医薬品(ジェネリック医薬品)の開発において、薬剤の有効性と安全性を科学的に評価することは極めて重要である。その中でも、すでに承認されている医薬品(先発医薬品)と新しい医薬品が、体内で同等に作用するかを評価する生物学的同等性... -
統計的推測のその先へ:効果量の計算と実践
研究論文や統計解析の結果を目にしたとき、「有意差があった」という報告に接する機会は多い。しかし、P値が示す統計的有意性は、あくまで偶然によるものか否かという確率的な指標に過ぎない。では、その研究によって「どれくらいの効果があったのか」「そ... -
効果量とサンプルサイズの関係性:統計的検出力の向上を目指して
統計的仮説検定は、日々直面する様々な疑問に科学的に答えを出すための強力なツールである。特に医療や教育といった分野では、新しい治療法や学習方法の効果を検証する際に不可欠である。この検証の鍵を握るのが「効果量」と「サンプルサイズ」。これら二... -
有意水準、検出力、サンプルサイズ:統計的仮説検定の三位一体
統計的仮説検定は、科学研究やビジネスにおいて意思決定を行う上で不可欠なツールである。しかし、その結果を正しく解釈し、適切な結論を導き出すためには、「有意水準」「検出力」「サンプルサイズ」という三つの重要な概念の相互関係を理解することが不... -
傾向スコアを利用した解析
傾向スコアは、処方意向の確率を、背景因子で推測するという枠組みで計算される数値である 傾向スコアを用いることで、観察データを使用した、仮説に基づいた比較ができることになる 実際の利用方法を簡単に解説する 傾向スコアを利用した解析の総論 臨床... -
重回帰分析における当てはまりの良さに関するいくつかの指標の違いと使い分け
重回帰分析(以下、線形回帰も同義)には当てはまりの良さの指標としていくつかあるが、それらの違いと使い分けはどうしたらよいのか? 自由度調整済み決定係数の特徴 説明率とも言われる決定係数の説明変数の個数を考慮したバージョン 0 から 1 の間の値... -
決定係数が小さい場合の考え方
重回帰分析の評価指標の一つ、決定係数が小さいときに、どう考えたらよいか どのくらいの数値であったら、大丈夫なのだろうか 決定係数がどのくらいであれば意味があるか? 決定係数は、0.7 以上欲しいとか、0.5 でもよいとか、分野によっては 0.3 でもよ... -
標準化偏回帰係数の簡単な解説
標準化偏回帰係数(ひょうじゅんかへんかいきけいすう)とは何か? 一言で言えば、単位が異なる説明変数の、目的変数に対する影響力を比較したいときに、便利な数値と言える 順を追って、式なしでイメージだけでわかりやすく解説 標準化偏回帰係数の前に回... -
統計解析における各種変数・データの呼び方を整理する
統計解析において、同じ意味合いで、違う呼び名が存在する それらを列挙して、整理したい 目的変数 研究の目的の項目、事項、事象、アウトカム、エンドポイントを測定、観測したデータのこと ほぼ同じ意味合いの言葉従属変数、応答変数、アウトカム、エン...