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直交対比の簡単な説明

直交対比とは何か?

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目次

直交対比の直交とは?

直交とは何か?

英語では、orthogonal と言う。

Orthogonal とは何か?

https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/orthogonal

Web辞書で確認すると、直角とか直交という意味が1番基本となる意味であることがわかる。

2番目に数学での使い方があり、

a. スカラーとの積がゼロになるベクトル

b. 積がゼロになる関数

というふうに書いてある。

これを踏まえて、orthogonal contrast とは何かを考えてみる。

直交対比を傾向性の検定の観点から考える

ランダム化比較試験の3群以上の間の傾向性の検定を考える。

このサンプルサイズ計算及び傾向性の検定に直交対比が登場する。

参考書籍はこちら。

傾向性の検定では、パラメータ $ \hat{\theta} $ と対比ベクトル成分 c の相関係数の有意性を考える。

パラメータと対比ベクトルの相関係数 r は、添え字等を省略すると、以下のように表せる。

$$ r = \frac{\sum {(\hat{\theta} – \bar{\theta}) (c – \bar{c})}}{\sqrt{\sum {(\hat{\theta} – \bar{\theta})^2} \sum (c – \bar{c})^2}} $$

対比ベクトルに対して定数を加減乗除しても、相関係数は不変である性質を利用して、$ \sum c = 0 $, $ \bar{c} = 0 $ とする。

とすると、上記の式の分子は以下のようになる。

$$
\begin{align}
T &= \sum \hat{\theta} c – K \bar{\theta} \sum c \\
&= \sum{\hat{\theta} c}
\end{align}
$$

ここで、K はカテゴリ数である。

掛け合わせて合計するとゼロとなるなら、$ \hat{\theta} $ は同じ値でないと理屈に合わない。

例えば、どのカテゴリの $ \hat{\theta} $ も 同じ1であるならば、対比ベクトルと内積をとるとゼロになる。

それは、対比ベクトルの合計がゼロだからだ。

逆に、もし内積がゼロでなければ、少なくとも $ \hat{\theta} $ がすべてのカテゴリで同じではないことを意味する。

結局、傾向性の検定は $ H_0 : T = 0 $, $ H_1 : T \neq 0 $ の検定となる。

パラメータベクトルと対比ベクトルの積がゼロというのが帰無仮説のキモの部分となる。

その際に 対比ベクトルの成分 c の平均がゼロという条件を付与している。

この条件のために、対比ベクトルの成分の合計もゼロにする必要がある(合計がゼロでないと平均もゼロにならない)。

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直交対比の種類

ところで、対比には、linear(線形)とpolynomial(多項)とがある。

線形は1次のみである。

多項は、2次の項、3次の項、、、と高次元まで考えられる。

線形対比の例

線形の場合、3カテゴリとすると、(-1, 0, 1) がもっとも一般的な線形対比ベクトルである。

4カテゴリなら、(-3, -1, 1, 3) が考えられる。同じ間隔になるようにも考慮している。この場合間隔が2である。

5カテゴリなら、(-2, -1, 0, 1, 2) がよいかもしれない。どの間隔も1である。

多項対比の例

多項のうち2次の場合、上に凸で、3カテゴリなら、(-1, 2, -1) が良いかもしれない。

4カテゴリなら、(-1, 1, 1, -1) とかだろうか。

5カテゴリは、よいベクトルが思いつかない・・・

まとめ

直交対比について、調べてみた。

Orthogonalを直交と訳すと、わかりにくいような気がするが、要するにパラメータとの積がゼロになる、成分の平均ゼロ(つまり合計ゼロ)のベクトルのことである。

線形の1次だけでなく、多項 polynomial の対比も設定できる。

参考書籍

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この記事を書いた人

統計 ER ブログ執筆者

元疫学研究者

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