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SPSS で二元配置分散分析を行う方法 交互作用ありデータの場合

二元配置分散分析をSPSSで実施する方法の紹介。

交互作用がある場合に、多重比較はどのように行えばよいかも紹介。

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目次

二元配置分散分析とは?

2つのカテゴリカルデータ(因子)の効果を検討する分析手法である。

2つの因子の交互作用を考慮することが多い。

一つ気を付けないといけないのは、「二元配置分散分析」と言った時に、その人がイメージしているものは、それぞれであるので、よく確認する必要があるということだ。

以下に「二元配置分散分析」で、イメージされている解析方法の選択肢を列挙する。

場合によっては、解析方法が異なるため、明確化が必要である。

  • 繰り返しのない二元配置分散分析
  • 繰り返しのある二元配置分散分析(二因子とも対応なし)
  • 繰り返しのある二元配置分散分析(一因子対応あり)
  • 繰り返しのある二元配置分散分析(二因子とも対応あり)

また、以下のような別名がある。

  • 二要因分散分析(二元配置分散分析の別名)
  • 反復測定分散分析(一因子対応ありの場合を特にこの名称で呼ぶことが多い)

この記事で扱っている「二元配置分散分析」は、「繰り返しのある二元配置分散分析(二因子とも対応なし)」である。

ここで、さらに注意しなくてはならないのは、「繰り返し」という言葉が誤解を招きやすいという点である。

「繰り返し」は、複数症例(または実験対象)を対象にすることであって、同一症例が繰り返すことではない。

同一症例が繰り返すのは「対応あり」と呼んでいる。

「繰り返し」という言葉が一般の感覚(同じ症例が「繰り返す」というのが一般の感覚)と違うのは、もともと、各因子に実験対象が 1 である実験計画が存在していた(もしくは存在している)名残であろう。

各因子に実験対象が 1 の場合は、実験対象が 1 であることを明示するために、「繰り返しのない」二元配置分散分析と呼ぶわけである。

交互作用とは?

交互作用とは、2つの因子があった場合、片方の影響が、もう一方の因子別に異なることを言う。

例えば、治療薬A, B, Cの効果と、男女の効果を同時に見たいとする。

男女には効果に差はあるが、治療薬A, B, Cの効果の順番は、男女で異ならないとする。

こういう場合は、交互作用はない。

一方で、男女で効果が差があり、さらに治療薬A, B, Cの効果順も男女で異なっているとする。

こういう場合は、交互作用がある、と言う。

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二元配置分散分析をSPSSで実施する方法

二元配置分散分析をSPSSで行うには、分析→一般線型モデル→1変量を使用する。

使用するサンプルデータは、参考サイトのデータだ。

Example 2 Dataset (SPSS)

従属変数に目的変数、固定因子に2つの因子を投入する。

交互作用 Gender * Method は自動的に計算される。

ノートの取り方の方法別、男女別、GPA成績変化を見ている。

男女Gender別に方法Method1,2,3の平均を比較するというデータである。

作図で、横軸にMethod、線の定義にGenderを入れて、追加をクリック。

エラーバーも含めておく。

いったん実行すると、解析結果が出力される。

分散分析表を見てみる。

MethodとGender*Methodが有意であることがわかる(有意水準5%とする)。

つまり、交互作用ありということである。

推定周辺平均で作図したグラフも、Methodごとに異なっていて、さらに性別で異なっていることがわかるような図になっている。

交互作用が有意の場合の多重比較―単純主効果の比較

交互作用が統計学的に有意である場合、SPSSでは、単純主効果の比較という方法が使える。

分析→一般線型モデル→1変量のダイアログに戻り、EM平均をクリックする。

ちなみに、EM平均のEMとは、Estimated Marginalの略で、結果出力では推定周辺と訳されている。

モデルで推定されている平均値と理解すればよい。

ダイアログボックス内では、Gender*Methodを平均値の表示に投入し、単純な主効果の比較にチェックを入れる。

信頼区間の調整は、必要に応じて、Bonferroniを選択する。

探索型研究であって、多重調整を必要としない場合は、デフォルトのまま LSD(なし) でも問題ない。

ここは研究者の考え方による。

続行して、解析を実行すると、出力の中に、ペアごとの比較が2回登場する。

これらが交互作用があるときの多重比較の結果である。

男女を比較するときは、Method別に比較し、Methodを比較するときは、性別ごとに比較している。

これが単純主効果の比較と呼ばれるものである。

今回の結果では、Method1とMethod2で、男女間が有意に異なると言える。

また、女性だけ、Method2とMethod1、Method2とControlが有意に異なっていた。

上記のグラフと見比べても、納得の結果ではなかろうか。

まとめ

二元配置分散分析をSPSSで実施した際に、交互作用が統計学的有意になった場合、多重比較を単純主効果の比較で行う方法を紹介した。

二元配置分散分析で困っているようなら、ぜひ参考にしていただければ。

参考サイト

http://oak.ucc.nau.edu/rh232/courses/EPS625-phx/#Handouts

サンプルデータ Example 2 Dataset (SPSS)

結果の書き方 Gender by Note Taking (Example 2) – APA Results

参考書籍

SPSSによる分散分析・混合モデル・多重比較の手順

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この記事を書いた人

統計 ER ブログ執筆者

元疫学研究者

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