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決定係数が小さい場合の考え方

重回帰分析の評価指標の一つ、決定係数が小さいときに、どう考えたらよいか

どのくらいの数値であったら、大丈夫なのだろうか

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目次

決定係数がどのくらいであれば意味があるか?

決定係数は、0.7 以上欲しいとか、0.5 でもよいとか、分野によっては 0.3 でもよいとか、いくつならよいかの決め手がない評価指標である

以下は、参考過去記事

しかし、現実的にはもっと小さい値、例えば、0.1 くらいのときもある

こういう場合、意味がないのだろうか?

どのくらいの数値であれば、意味があると言えるのだろうか?

測定に誤差を大きく含むような分野、厳密な数値では表せないような事象を測定する分野、具体的には、心理学、社会学、人間科学などでは、あまり高い決定係数を得るのは難しいと考えられる

こういう場合、どんな考え方があるのだろうか?

少なくとも 0.1 あればよい説

ある書籍の一部のようであるが、少なくとも 0.1 あればよいという論説がある

重回帰モデルにおいて、いくつかの、もしくは、多くの説明変数が統計学的に有意であるのが条件ではある

参考文献:

The acceptable R-square in empirical modelling for social science research Munich Personal RePEc Archive

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慣例として 0.13 が Medium Effect 説

サンプルサイズ計算のバイブルの一つ、Jacob Cohen の書籍にある、重回帰分析のためのサンプルサイズ計算における慣例的な基準が、決定係数 0.13で medium effect である

参考文献:

https://www.utstat.toronto.edu/~brunner/oldclass/378f16/readings/CohenPower.pdf

PDF 413 ページ目

参考過去記事:
G*Power で重回帰分析に必要なサンプル数を計算する方法 – 統計ER

まとめ

重回帰分析で算出された決定係数が一般的に言われている数値と比べて小さいがどうなんだろうというときの目安として、2 つの説を説明した

どちらの説も、0.1 程度でも意味があることを示唆している

なので、決定係数が 0.1 程度の場合であっても、仮説を後押しするような有用な結果が得られているのであれば、上記の説を味方に何とか世に出す努力をする価値はあると考える

何らか参考になれば幸い

参考文献

The acceptable R-square in empirical modelling for social science research Munich Personal RePEc Archive

https://www.utstat.toronto.edu/~brunner/oldclass/378f16/readings/CohenPower.pdf

参考過去記事

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第1章臨床研究ではなぜ統計が必要なのか?計画することの重要性
  • 推定ってどんなことをしているの?
  • 臨床研究を計画するってどういうこと?
  • どうにかして標本平均を母平均に近づけられないか?
第2章:研究目的をどれだけ明確にできるのかが重要
  • データさえあれば解析でどうにかなる、という考え方は間違い
  • 何を明らかにしたいのか? という研究目的が重要
  • 研究目的は4種類に分けられる
  • 統計専門家に相談する上でも研究目的とPICOを明確化しておく
第3章:p値で結果が左右される時代は終わりました
  • アメリカ統計協会(ASA)のp値に関する声明で指摘されていること
  • そうは言っても、本当に有意差がなくてもいいの…?
  • なぜ統計専門家はp値を重要視していないのか
  • 有意差がない時に「有意な傾向があった」といってもいい?
  • 統計を放置してしまうと非常にまずい
第4章:多くの人が統計を苦手にする理由
  • 残念ながら、セミナー受講だけで統計は使えません。
  • インプットだけで統計が使えない理由
  • どうやったら統計の判断力が鍛えられるか?
  • 統計は手段なので正解がないため、最適解を判断する力が必要
第5章:統計を使えるようになるために今日から何をすれば良いか?
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第6章:統計を学ぶために重要な環境
  • 統計の3つの力をバランスよく構築する環境

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この記事を書いた人

統計 ER ブログ執筆者

元疫学研究者

統計解析が趣味

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