分散分析のサンプルサイズ計算がしたいと思った時に考えるべきこと
もしかしたら、あなたが必要なのは、分散分析のサンプルサイズ計算ではないかもしれない
分散分析のサンプルサイズ計算が必要と思った時には立ち止まる必要がある
分散分析をしなければならないと思った時に、本当は何がしたいのかを見つめなおす
本当は、分散分析がしたいわけではなく、3 群以上の多重比較がしたいのではないか?
対応があるデータであった場合、反復測定分散分析がしたいのではなく、時点間の多重比較がしたいのではないか?
つまり、分散分析がしたいわけではなく多重比較がしたいのではないか?ということ
分散分析ではなく多重比較がしたいんだと意識した後のサンプルサイズ計算
多重比較がしたいのであれば、その多重比較全部が統計学的有意になる必要があるか、それともある程度、差がある組み合わせだけが統計学的有意になればよいのかを決めるという流れが良いだろう
その場合、まずは閉手順を考えてみる
閉手順とは、一番統計学的有意になりにくい組み合わせが統計学的有意になれば、あとはすべて有意であろうという考え方の下、一番有意になりにくい組み合わせをもってサンプルサイズを計算する
それを群の数に拡張する
3 群の場合は、3 つの群間比較の組み合わせがありうるが、そのうち、差が一番小さい組み合わせの平均差と標準偏差を見積もる
それをもって、平均値の差の検定(いわゆる t 検定)なり、対応のある t 検定で、サンプルサイズ見積もりをする
その結果を 3 群に拡張する( 2 群比較で必要な合計症例数の 1.5 倍が 3 群の症例数になる)
反復測定の場合も同様に、群間のみならず時点間で、もっとも有意になりにくい組み合わせを見極める
それが時点間の場合は、対応のある t 検定でサンプルサイズを見積もる
それを 2 群に広げる(対応のある t 検定で見積もった症例数の 2 倍とする)
t 検定のサンプルサイズ計算、対応のある t 検定のサンプルサイズ計算は、以下参照
まとめ
分散分析のサンプルサイズ計算がしたいと思ったときに考えることをまとめた
本当に分散分析をしたいのか、それとも真の希望は多重比較ではないのか、見極めた後にアクションする
多重比較が真の目的であれば、閉手順で考えるとよい
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