アンケート調査は何人にとったらいいか?
アンケート調査に必要なサンプル数の前にアンケート調査の目的
アンケート調査に必要なサンプルサイズを考える前に、アンケート調査では、何をどうしたいのか?
「アンケート調査に必要なサンプル数」といった場合、
- 何人の人にアンケートをすれば、真実がわかるのか?
- 何人だったら十分なのか?
- 何人の時に統計学的に意味があるのか?
ということが想像される。
サンプル数計算には前提が必要だ。
その前提を想像してみる。
例えば、アンケート調査では、何かに対する好みを尋ねることがある。
○○は好きですか?Yes No
Yesの割合が何パーセント。
こういうことが知りたいのではないか?
でも、こんな単純な質問一つではないだろう。
おそらく数問から十数問を尋ねたいのではないか?
こんなふうに想像する。
しかし、あまり複雑な前提は考慮できないのが現実だ。
考慮できる前提は、一問だけで、YesかNoかの二択だけで、何%かをどれだけ正確に把握するかの精度か、何%かどうかを検定する方法から推定する。
母集団の割合はわからないから何%かどうかの検定を前提にするのはほぼ不可能。
なので推定精度から推測するしかない。
年代別、性別などの集計も前提に入っていないので、層別の分析をするなら、計算された人数の数倍にしておくのがいい。
アンケート調査に必要なサンプル数の求め方 具体的な計算方法
計算上、50%をある精度で推定するのが、必要なサンプル数がもっとも大きくなる。
一番大きい必要サンプル数を計算しておけば、それより小さいサンプルサイズが必要な割合も、同じかそれ以上の精度で見積もれるので、大きくしておくのがいい。
たくさんデータがあれば、あとは何とかなる。
少ないと、もっととればよかったと後悔することになる。
「50%のYesを±5%で見積もる」という前提はよくあるパターン。
とても無難な設定。
精度の±5%は、95%信頼区間の幅。
計算式を書いてみると、以下の通り。
は有意水準、今回の場合は0.05。
は標準正規分布のクォンタイルで今回は1.96。
クオンタイルとは?
は推定割合で、今回は0.5、は推定精度で、0.05。
R ではどうやるか?
上記の式は、n <- qnorm 云々の行に当たる。
inf.pop.prop.samplesize <- function(p=NULL, delta=NULL, conf.level=0.95){ n <- qnorm((1-conf.level)/2, lower.tail=F)^2*p*(1-p)/delta^2 METHOD <- "Sample size estimated (infinite population)" structure(list("Sample size needed"=n, "Population proportion"=p, "Diff. b/w mean to limit"=delta, "Confidence level"=conf.level, method=METHOD), class="power.htest") }
「50%のYesを±5%で見積もる」場合の計算結果は以下の通り。
385例が必要と計算される。
ざっくり言えば400例くらいあればいい。
予想される結果が、50%(95%信頼区間:45%~55%)という意味だ。
> inf.pop.prop.samplesize(p=0.5, delta=0.05) Sample size estimated (infinite population) Sample size needed = 384.1459 Population proportion = 0.5 Diff. b/w mean to limit = 0.05 Confidence level = 0.95
予想される結果が、50%(95%信頼区間:40%~60%)でもよいとなると、サンプルサイズはぐっと減って97例。
約100例でよくなる。
> inf.pop.prop.samplesize(p=0.5, delta=0.1) Sample size estimated (infinite population) Sample size needed = 96.03647 Population proportion = 0.5 Diff. b/w mean to limit = 0.1 Confidence level = 0.95
アンケート調査に必要なサンプル数をエクセルで
エクセルで計算できるようにした。
よければどうぞ。
アンケートは何人に取ればいい?―割合の信頼区間―【エクセルでサンプルサイズ】 | TKER SHOP
動画による使い方解説。
こちらもよければどうぞ。
まとめ
アンケート調査に必要なサンプルサイズの計算は、アンケート結果や精度の前提が必要。
50%を±5%で推定するならば、400人必要。
50%を±10%で推定するならば、100人で足りる。
大人数に調査ができるなら、サンプルサイズはできるだけ大きくしておくのに越したことはない。
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