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多重代入法後のCox回帰:Wald検定(ANOVA)カイ二乗値の統合
多重代入法 (Multiple Imputation, Mice) は、欠損値に対処するための強力な統計的手法である。しかし、多重代入法によって作成された複数のデータセットそれぞれに対して統計解析を行った後、それらの結果をどのように統合すればよいか迷うことがある。本... -
クラスターランダム化比較試験の基礎:研究デザインと適切なサンプルサイズ計算
従来のランダム化比較試験(RCT)は、個々の参加者をランダムにグループに割り付けることで、介入の効果を公平に評価するための強力な手法である。しかし、医療や教育の現場では、個人ではなくグループ(クラスター)単位で介入が行われることが少なくない... -
尺度開発 信頼性・妥当性研究論文リスト
随時追加していく 看護学分野 退院後早期の育児不安尺度の開発と信頼性・妥当性の検討 分娩期の助産実践能力自己評価尺度の開発 「看護師の多重課題遂行能力尺度―内科系・外科系病棟看護師用―」の開発 看護小規模多機能型居宅介護に従事する看護師の看護実... -
線形混合効果モデル:反復測定データ解析の強力なツール
臨床研究や生物学研究において、同じ被験者から複数回測定されたデータ(反復測定データ)は頻繁に登場する。このようなデータは、従来の線形回帰モデルでは適切に解析できない場合がある。なぜなら、同じ被験者からの測定値は互いに相関を持つため、独立... -
信頼区間の重なりで「差」を判断してはいけない理由
2つのグループの平均値を比較する際、多くの人がそれぞれの平均値の95%信頼区間が重なっているかどうかを見て、「統計学的に有意な差があるか」を判断しようとする。しかし、これは誤りである。実は、2つの信頼区間が重なっていたとしても、統計学的に有意... -
生物学的同等性試験における90%信頼区間の重要性
新薬開発や後発医薬品(ジェネリック医薬品)の開発において、薬剤の有効性と安全性を科学的に評価することは極めて重要である。その中でも、すでに承認されている医薬品(先発医薬品)と新しい医薬品が、体内で同等に作用するかを評価する生物学的同等性... -
反復測定データの解析:EM平均を用いた群間・時点間比較
臨床研究では、同一の対象者に対して複数回測定を行う反復測定デザインが頻繁に用いられる。このようなデータは、時間経過に伴う変化や介入効果を評価する上で非常に有用だが、一方で、複雑な相関構造をモデル化するという課題がある。この複雑な相関構造... -
固定効果と変量効果:データ解析における「平均」と「個人差」の捉え方
医療研究や社会調査など、さまざまな分野のデータ解析で登場する固定効果と変量効果。これらは、データを回帰モデルで分析する際に、「集団全体の平均的な傾向」と「個々の対象が持つ固有のばらつき」をどのように扱うか、という考え方に基づいている。 固... -
一般化推定方程式(GEE)の基礎と臨床研究での応用
臨床研究や疫学研究において、繰り返し測定されるデータやクラスター化されたデータは頻繁に登場する。このようなデータでは、同じ被験者からの測定値や同じクラスター内の観測値には相関があるため、従来の独立性を仮定する統計手法では適切な解析ができ... -
一般化線形混合モデル(GLMM)の基本と応用
臨床研究や生物統計学の分野では、患者ごとのばらつきや測定の反復性など、データが持つ複雑な構造を考慮することが不可欠である。しかし、基礎的な統計モデルでは、このような複雑性を十分に捉えきれない。そこで必要となってくるのが、「一般化線形混合...