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反復測定データの解析:EM平均を用いた群間・時点間比較
臨床研究では、同一の対象者に対して複数回測定を行う反復測定デザインが頻繁に用いられる。このようなデータは、時間経過に伴う変化や介入効果を評価する上で非常に有用だが、一方で、複雑な相関構造をモデル化するという課題がある。この複雑な相関構造... -
固定効果と変量効果:データ解析における「平均」と「個人差」の捉え方
医療研究や社会調査など、さまざまな分野のデータ解析で登場する固定効果と変量効果。これらは、データを回帰モデルで分析する際に、「集団全体の平均的な傾向」と「個々の対象が持つ固有のばらつき」をどのように扱うか、という考え方に基づいている。 固... -
一般化推定方程式(GEE)の基礎と臨床研究での応用
臨床研究や疫学研究において、繰り返し測定されるデータやクラスター化されたデータは頻繁に登場する。このようなデータでは、同じ被験者からの測定値や同じクラスター内の観測値には相関があるため、従来の独立性を仮定する統計手法では適切な解析ができ... -
一般化線形混合モデル(GLMM)の基本と応用
臨床研究や生物統計学の分野では、患者ごとのばらつきや測定の反復性など、データが持つ複雑な構造を考慮することが不可欠である。しかし、基礎的な統計モデルでは、このような複雑性を十分に捉えきれない。そこで必要となってくるのが、「一般化線形混合... -
同等性検定と必要サンプル数計算:臨床研究における実践的アプローチ
新しい治療法が既存のものと同等であることを証明したい。そんな時、従来の「優れているか」を問う研究だけでは不十分である。本記事では、臨床現場で役立つ同等性検定の基本から、医師が直面する具体的なケースでの活用法、そして研究の成功に不可欠な必... -
統計的推測のその先へ:効果量の計算と実践
研究論文や統計解析の結果を目にしたとき、「有意差があった」という報告に接する機会は多い。しかし、P値が示す統計的有意性は、あくまで偶然によるものか否かという確率的な指標に過ぎない。では、その研究によって「どれくらいの効果があったのか」「そ... -
効果量とサンプルサイズの関係性:統計的検出力の向上を目指して
統計的仮説検定は、日々直面する様々な疑問に科学的に答えを出すための強力なツールである。特に医療や教育といった分野では、新しい治療法や学習方法の効果を検証する際に不可欠である。この検証の鍵を握るのが「効果量」と「サンプルサイズ」。これら二... -
有意水準、検出力、サンプルサイズ:統計的仮説検定の三位一体
統計的仮説検定は、科学研究やビジネスにおいて意思決定を行う上で不可欠なツールである。しかし、その結果を正しく解釈し、適切な結論を導き出すためには、「有意水準」「検出力」「サンプルサイズ」という三つの重要な概念の相互関係を理解することが不... -
R で感度・特異度分析に必要なサンプル数を計算する方法
診断検査の感度・特異度分析におけるサンプルサイズ計算は、研究の目的、疾患有病率、期待される感度・特異度、許容誤差、検出力に基づいて行われる。小さすぎると信頼性が低く、大きすぎるとリソースが無駄になる。統計的に信頼できる結果を得るには、こ... -
R で適合度の検定に必要なサンプル数を計算する方法
「あなたのデータ、本当にその仮説に合ってる?」📈 統計分析でよくあるこの疑問。 今回は、観測されたデータが、ある理論的な分布や比率にどれくらい「適合しているか」を科学的に評価する「適合度検定」について、基本から具体例、必要なサンプル...