RとEZRの違いは何?臨床研究のデータ解析におけるRのススメ

RとEZR、統計解析の勉強する上でどちらを選べば良いのか、その違いがよくわからない…

この記事では、そんな疑問を持つ臨床研究者の方向けに、RとEZRの基本的な特徴から、それぞれのメリット・デメリットを説明します。

また、EZRを使っていた人がRにスムーズに移行するためのポイントも解説します。

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目次

RとEZRの違いは何?

RとEZRの違いはプログラミング言語ベースか直感的に操作できるソフトウェアかどうか

RとEZRの違いの概要

RとEZRはともに統計解析を行うためのツールですが、その特徴や使い方には大きな違いがあります。

Rは一つのプログラミング言語で、高度な統計解析やデータの可視化、細かい点まで追求した図表の作成が可能です。

Rは誰でも自由に使ったり、改良したりできるように公開されているソフトウェアであり、統計解析に広く利用されています。

さらにRでは「パッケージ」と呼ばれる便利な関数やデータをまとめたものがいくつも公開されていて、誰でも利用できるようになっています。

EZRはRをカスタマイズするパッケージの一つで、医療統計を中心に使いやすさを追求して、Rを直感的に使いやすいようにしたものです。

RとRコマンダーとEZR

Rとは何か?

Rは「R言語」と呼ばれるプログラミング言語により統計解析ができるソフトウェアで、PCにインストールすれば誰でも使うことができます。

Rは無料で使えるため、世界中の研究者が使用したり、パッケージを作成して公開することで便利な機能が追加できるようになっています。

統計解析の分野で非常に広く利用されており、その高い自由度と拡張性により、複雑なデータ解析や細かい点にこだわった図表の作成ができます。

Rコマンダーとは何か?

Rコマンダーは、Rのプログラミングスキルがないユーザーでも直感的に操作が可能な解析ツールです。

メニューから選択するだけでRのコマンドを実行できるように作られています。

これにより、統計解析の敷居が大きく下がり、誰でも簡単にデータ解析を行うことが可能となります。

また、Rコマンダーは拡張性が高く、様々なプラグインを追加することで機能を拡張することができます。

EZRとは何か?

EZR(Easy R)はRコマンダーを基に開発された統計解析ツールで、特に医療統計の分野において使いやすさを追求しています。

EZRを利用することで、Rのプログラミングスキルがないユーザーでも、直感的な操作で簡単に統計解析を行うことが可能です。

これにより、医療関係者や研究者がデータ解析をより手軽に、かつ効率的に行うことができます。

EZRは医療統計に特化しているため、この分野でのデータ解析において非常に強力なツールとなっています。

RとEZRの違い

項目 R EZR
解析レベル プログラミングによる高度な解析が可能。論文用の作図も自由自在。 初心者向けで使いやすいが、Rほどの自由度はない。
操作画面 プログラミング中心の操作。柔軟だが慣れるまで学習が必要。 直感的でクリック操作が中心。簡易解析に適している。
サポート 豊富な学習教材やQ&Aコミュニティが利用可能。 日本語サポートが充実しており、国内ユーザーにとって使いやすい。

高度な解析が可能かどうか

Rの最大のメリットはその高い自由度と拡張性にあり、プログラミングできることならどんな解析でも可能なことです。

例えば、最新の論文で発表された方法を適用したり、論文に掲載するための図を細かい点まで調整して作成することが可能です。

一方で、Rを使うにはプログラミングスキルが必要となるため、慣れるまでに学習と実践が必要です。

EZRは使いやすさを重視しており、Rほど自由に高度な解析はできません。

操作画面と使いやすさの違い

Rはプログラミング言語として設計されており、データを解析するためにはコードを自分で記述する必要があります。

Rを使えば自由度の高い解析が可能ですが、プログラミングの知識が必要となるため、初心者にはハードルが高いことがあります。

その理由は、データの操作や解析を細かくコントロールするためには覚えるべきコマンドが多く、習得に多少の時間と実践が必要なためです。

対照的に、EZRでは直感的な操作が可能で、初心者でも簡単にデータの解析をすることが可能です。

メニューから選択したり、ボタンをクリックするだけで簡単にデータの解析や図表の作成が行えますので、プログラミングの経験がない初心者でも手軽に統計解析を始めることができます。

サポートとコミュニティの違い

Rは世界中の研究者に利用されているプログラミング言語であり、そのため多様なオンラインの参考記事、参考書籍やQ&Aが豊富なコミュニティが存在します。

これにより、インターネット上で簡単にRの情報を得ることができ、問題が発生した際には世界中の他のユーザーの知識を借りて解決策を見つけることが可能です。

また、多くのコミュニティでは初心者から上級者まで幅広いレベルのユーザーが参加しており、Q&Aを参考にしつつ学習を進めることができます。

一方でEZRは、日本で開発された統計解析ツールであり、特に日本語によるサポートが充実しています。

Rと比べると参考記事やQ&Aは見つけにくいですが、EZRを専門とした書籍が刊行されるなど、学習に困るということは少ないです。

また、EZRは医療統計を中心に使いやすさを追求しており、日本の医療関係者や研究者からの支持を受けているため、EZRの教育セミナーなどが開催されることも多いです。

RとEZRの違いを考えると臨床研究にはRがオススメ

RとEZRの違いを考えると臨床研究にはRがオススメ

Rはその高い自由度と拡張性から、臨床研究において非常に有効なおすすめの統計解析ツールとなります。

なぜ臨床研究においてRがオススメなのか、その理由やメリットについて詳しく解説していきます。

なぜRがオススメなのか

Rでは発展的な解析ができる

EZRでは実現が難しい高度な解析も、Rでは比較的簡単に行うことができます。

基本的なRのプログラミングに慣れてしまえば、便利な関数やデータをまとめた「パッケージ」を利用することで、発展的な解析手法を使えるようになるからです。

パッケージを利用すれば、インパクトファクターの高い学術論文でよく使われているような複雑な解析手法でも、簡単に使いこなすことができます。

Rの将来性と臨床研究への影響

Rは世界中の多くの研究者や開発者によって日々進化し続けており、新しい機能やパッケージが絶えず追加されています。

このような活発なコミュニティと継続的な発展は、Rを使用する臨床研究者にとって大きな利点となります。

特に、新しい統計解析の方法やアルゴリズムが学術論文で発表された際に、Rのコミュニティではこれらの新しい手法を実装したパッケージがすぐに開発され、公開される傾向にあります。

Rを使用する研究者は最先端の解析手法を手軽に利用することができ、その結果、臨床研究の質と効率を向上させることが可能となります。

EZRからRへの移行を検討する際のポイント

RとEZRの違いを理解する

RとEZRはそれぞれ異なる特徴とメリットを持っています。

目的や現状のスキルに合わせて、適切なツールを選択し、使い分けることが重要です。

Rの勉強方法

Rの勉強材料は非常に豊富で、インターネット上に多くのチュートリアルや解説が存在します。

また、初心者向けの入門書も多数出版されており、自学自習が可能です。

はじめは併用もあり:RとEZRを併用するメリット

Rの学習初期段階では、EZRを併用することで、直感的な操作とプログラミングによる解析を組み合わせることができます。

これにより、徐々にRに慣れていくことができます。

EZRで出力された解析結果をRで再現してみたり、図表の出力結果の細かい点を調整してみたりするのが、Rの初学者にオススメのスキルアップ方法です。

徐々にRに慣れていく

Rの学習を始めたばかりの段階では難易度が高く感じるかもしれませんが、使い続けることで徐々に慣れていきます。

パッケージを使えば高度な解析も簡単に適用できるようになるので、まずはよく使う解析手法から勉強を始めてみましょう。

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まとめ

RとEZRは、それぞれ異なる特徴とメリットを持っています。

EZRはRコマンダーをベースにしており、直感的な操作が可能で初心者にも使いやすいですが、Rほどの自由度はありません。

Rは高い自由度と拡張性を持ち、複雑な統計解析が可能です。

ただし学習には多少の時間と実践を要し、初心者には難しい面もあります。

臨床研究者としてこれから統計解析を学ぶ方や、より高度な解析を目指す方は、RとEZRの違いを理解し、RとEZRを併用しながら徐々にRに慣れていくことがオススメです。

この記事を参考に、あなたの研究に最適な統計解析ツールを見つけ、より良い研究結果に繋げていってください。

 

>>EZRの使い方はこちら

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第1章臨床研究ではなぜ統計が必要なのか?計画することの重要性
  • 推定ってどんなことをしているの?
  • 臨床研究を計画するってどういうこと?
  • どうにかして標本平均を母平均に近づけられないか?
第2章:研究目的をどれだけ明確にできるのかが重要
  • データさえあれば解析でどうにかなる、という考え方は間違い
  • 何を明らかにしたいのか? という研究目的が重要
  • 研究目的は4種類に分けられる
  • 統計専門家に相談する上でも研究目的とPICOを明確化しておく
第3章:p値で結果が左右される時代は終わりました
  • アメリカ統計協会(ASA)のp値に関する声明で指摘されていること
  • そうは言っても、本当に有意差がなくてもいいの…?
  • なぜ統計専門家はp値を重要視していないのか
  • 有意差がない時に「有意な傾向があった」といってもいい?
  • 統計を放置してしまうと非常にまずい
第4章:多くの人が統計を苦手にする理由
  • 残念ながら、セミナー受講だけで統計は使えません。
  • インプットだけで統計が使えない理由
  • どうやったら統計の判断力が鍛えられるか?
  • 統計は手段なので正解がないため、最適解を判断する力が必要
第5章:統計を使えるようになるために今日から何をすれば良いか?
  • 論文を読んで統計が使えるようになるための5ステップ
第6章:統計を学ぶために重要な環境
  • 統計の3つの力をバランスよく構築する環境

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