探索的試験と検証的試験の違いは?臨床試験のフェーズごとの目的に応じた性質

探索的試験と検証的試験の違いに関するブログ記事

この記事では「探索的試験と検証的試験の違いは?臨床試験のフェーズごとの目的に応じた性質」ということでお伝えしていきます。

臨床試験や臨床研究は、大きく分けて「探索的試験(研究)」と「検証的試験(研究)」に分かれます。

でもどんな試験が探索的試験で、どんな試験が検証的試験なの?という疑問に思うことがありますよね。

そのため、

  • 探索的試験と検証的試験の関係
  • 検証的試験はどんな試験?
  • 探索的試験はどんな試験?

ということをわかりやすくお伝えしますね!

 

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目次

探索的試験と検証的試験の関係

例えば「新薬がプラセボに比べて効果があるか」といったようなある臨床的な仮説を検証したいとき。

通常、データの蓄積がない中で、1つの試験だけでその仮説を検証しようとすると「博打」になってしまいますよね。

そのため、大規模な検証的試験を実施する前に少数例でデータを集めて解析し、どんな検証的試験をすればいいのか?を考える必要があります

その「少数例でデータを集めて解析したい」という部分を探索的試験が担っています。

上記のように、探索的試験から仮説を設定し、必要十分なデータを確保した検証的試験での検定結果で仮説が検証したかを判断します。

これを考えると、世の中の研究で検証的試験と言われる試験は少なく、多くの研究は探索的研究と言っても過言ではないです。

そのため探索的試験の種類や数は多岐にわたるため、まずは検証的試験を理解しましょう。

そうすれば「検証的試験以外」が探索的試験になる、という理解で問題ありません。

 

検証的試験とは?

検証的試験は、ICHE9で以下のように記載されています。

ICH E9での検証的試験の記載
事前に定められた仮説を評価するための、適切に計画・実施された比較試験

この一文に、重要なポイントが3つあります。

  • 事前に定められた仮説
  • 適切に計画された
  • 比較試験

このポイントを持った試験が検証的試験、ということです。

つまり、いくつかの探索的試験から得られているデータを元に仮説が立てられ、適切に試験実施計画書(プロトコル)が作成され、サンプルサイズも事前に定められた比較試験が検証的試験。

検証的試験では、統計的検定での「有意差あり/なし」がそのまま研究結果の結論になることが多いです。

ただし、統計的な結果を臨床的な意義と関連づけることも重要なのでその点は注意しましょう。

検証的試験≒第3相試験

検証的試験は主に、承認に関わる主張の裏付けとなる確固たる証拠を提示することが目的です。

そのため臨床試験であれば、第3相試験のことを検証的試験と呼ぶことが多いですね。

逆に、第2相試験までは探索的試験。

 

多くの臨床研究は「承認に関わる主張の裏付けとなる確固たる証拠を提示することが目的」となることが少ないため、そのほとんどが探索的研究と言ってもいいでしょう。

 

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探索的試験とは?検証的試験との違い

検証的試験が理解できたところで、探索的試験です。

検証的試験の正当性の根拠と計画は、事前に実施された探索的研究の臨床成績に依存します。

つまり、検証的試験の前段階となる試験が必要になり、その試験の総称を探索的試験と言っています。

探索的試験の目的は必ずしも事前に設定した仮説の単純な検定に帰着しません。

つまり、検証的試験より柔軟に解析してOKということです。

探索的なデータ解析を伴って良いですし、得られたデータに基づいて仮説の設定と検定が行われることもあります。

 

探索的試験と検証的試験は明確に区別できない側面もある

多くの場合、全ての試験では検証的側面と探索的側面の両方を持ちます。

検証的試験でも、結果を説明するための探索的解析も行われるからです。

そのため、「どの解析が検証的」であり「どの解析が探索的」であるかを明確に区別することが重要であり、その区別をプロトコルに記載しておくことが重要になります。

 

まとめ

いかがでしたか?

この記事では「探索的試験と検証的試験の違いは?臨床試験のフェーズごとの目的に応じた性質」ということでお伝えしました。

  • 探索的試験と検証的試験の関係
  • 検証的試験はどんな試験?
  • 探索的試験はどんな試験?

ということが理解できたのなら幸いです!

 

>>治験の種類は何がある?臨床研究との違いは?

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  • 推定ってどんなことをしているの?
  • 臨床研究を計画するってどういうこと?
  • どうにかして標本平均を母平均に近づけられないか?
第2章:研究目的をどれだけ明確にできるのかが重要
  • データさえあれば解析でどうにかなる、という考え方は間違い
  • 何を明らかにしたいのか? という研究目的が重要
  • 研究目的は4種類に分けられる
  • 統計専門家に相談する上でも研究目的とPICOを明確化しておく
第3章:p値で結果が左右される時代は終わりました
  • アメリカ統計協会(ASA)のp値に関する声明で指摘されていること
  • そうは言っても、本当に有意差がなくてもいいの…?
  • なぜ統計専門家はp値を重要視していないのか
  • 有意差がない時に「有意な傾向があった」といってもいい?
  • 統計を放置してしまうと非常にまずい
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  • 残念ながら、セミナー受講だけで統計は使えません。
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