臨床試験(治験)で統計学が必要な理由

統計学が最強の学問?なぜ重要性が再認識されているのか?

「統計」と聞くと、あなたは何を想像しますか?

もしかしたら「T検定」、あるいは「χ二乗検定」なんかを想像するかもしれません。

中には、もう何も考えられず鳥肌が立ってしまう、という方もいるかと思います。

実は今から20年〜30年前ぐらいであれば、統計といえばT検定、統計といえばχ二乗検定。

これぐらいのイメージ・知識さえあれば問題なかったと言われています。

ですが、今では時代も変わり、それだけでは論文を投稿するどころか、医薬研究を実施することさえ難しくなりました。

 

「統計学が最強の学問である」という本も発売され、一時期話題になりましたね。

この記事では、なぜ最近になって統計学の重要性が再認識されているのかを考えてみます。

 

統計が最強の学問?その重要性がフォーカスされだした理由

なぜ今、統計学が重要視されているか。

私が考える理由は、以下の3つです。

 

  • 仮説、実験デザインの複雑化
  • 統計パッケージの普及
  • 医薬雑誌のレフリーに統計の専門家が参加

 

これらは、医薬品開発が原因の難しい疾患にシフトしていった歴史と関連していると思います。

これまでは、統計が必要ないほど、薬の力だけで目に見える効果が現れていました。

ですが今では、薬による有効性や安全性が劇的ではなく、本当にこの薬を薬として販売してよいか?を判断する必要が出てきたのです。

 

そこで重要なのが、統計学。

 

今ではすごく複雑な解析手法が次々に生まれてきており、それらを使いこなす必要があります。

昨今、インパクトファクターの高い雑誌には、必ずといっていいほど統計の専門家がレフリーとなっています。

なぜなら、複雑な臨床試験の結果が本当に適切な統計解析によるものなのかを判断する必要があるからです。

 

 

統計担当者はセクシーな仕事か?

2009ねんのNew York Timesに、Googleのチーフエコノミストである、ハル・ヴァリアン博士が以下のように述べました。

I keep saying that the sexy job in the next 10 years will be statisticians. And I am not kidding.

日本語に直すと、以下のような意味です。

今後10年間で最もセクシーな仕事は、統計学者であると常にみんなに広めている。冗談抜きでね。

統計の分野において日本はアメリカからかなり遅れておりますので、日本では現在(2019年)から今後10年がセクシーな仕事になるかもしれません。

また、ハル・ヴァリアン博士は以下のように続けています。(日本語訳のみ掲載します。)

データを取り、それを理解して処理し、そこから価値を引き出し、可視化し伝達する、といった能力は、今後数十年にわたって、プロレベルだけでなく小学生から大学生までのあらゆる教育的レベルにおいても、きわめて重要なスキルとなるだろう。

 

全ての人が統計学の重要性に気づく必要がある

このハル・ヴァリアン博士が言っている通り、統計学はあらゆる分野・あらゆる世代で必要な学問の一つになってきます。

もう、全てを専門家に任せればよいといった時代は、終焉を迎えています。

医薬研究に携わる方も「データを取り、それを理解して処理し、そこから価値を引き出し、可視化し伝達する」という能力は必須だと私も思います。

なぜなら、医薬研究において、統計学は「データを解析する」だけではないためです。

 

むしろ、目的に合ったデータをどのように取るのか?という方が重要になってきます。

統計担当者は、以下の図の緑の考え方をしているためです。

 

そのため、統計の専門家でなくとも、統計学を発揮させるにはどのような考え方をすれば良いのか?(上記の緑の考え方)を知って、試験の計画段階から統計担当者を巻き込むことが非常に重要です。

 

 

統計とは?まとめることと計画すること

計画段階から統計を考えることの重要性は、「統計」という字を見るだけでも、知ることができます。

統計という言葉は、「統」と「計」の二つの漢字に分けることが出来ますね。

実はこの漢字二文字は、統計ということを実に的確に言い当てているのです。

 

統は、まとめるという意味。

「統」という漢字を辞典で調べてみると、「一つにまとめる」という意味があるようです。

取得した生データを眺めるだけでは、何もわかりません。

データは取得した後に平均や分散を算出するなどして、ある指標に変換しなければなりません。

このような作業を「要約」と言います。

そして、平均値や分散を要約した値という意味で、要約統計量」といいます

 

計は、計画するという意味。

「計」は文字通り、計画するという意味です。

実は、統計的検定とは、事前に計画したものだけが検証的な結果として扱うことが出来ます

つまり、事前に綿密に計画したデータに対して検定をする。

このような「計画に基づいたデータ」の検定結果だけが重要な意味を持つ、という意味です。

 

では何を計画するのか?

というと、例えばサンプルサイズ(取得するデータの数)を事前に計画する、というのも計画の一つです。

このような意味を考えると、計というのは検定を計画していくということになります。

 

まとめ

医薬研究において、ますます統計学の重要性が見直されてきました。

統計は、「データを解析する」だけでなく、「目的に合ったデータを取得する」ということが非常に重要な考えです。

そのため、統計の専門家だけでなく、医薬研究に関わる全ての人が統計の考え方を持つ必要があります

 

 

論文化に必要な統計に絞った地図あります

 

  • パソコンに向かってもなぜか筆が進まない…
  • 学会発表は結構たくさんしているのに、なぜ論文が出ないのだろう…
  • こんなに忙しいのに、いつ論文を書いたらいいのか…
  • 一度は書いたはずの論文がお蔵入りに…どうすればいいの…
  • データはあるのになぜ論文化まで持っていけないんだろう…
  • このデータ、どうやって解析すればいいんだろう…

 

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