GraphPad Prism を使ってDunnett(ダネット)検定結果入り多重比較グラフを書く方法

GraphPad Prismでダネット検定を実施するブログ記事

GraphPad Prism は簡単な操作で論文クオリティのグラフが書ける、直感的に操作できるソフトウェアです。

今回は、コントロールと多群の多重比較を行うダネット検定 Dunnett’s test の結果を書き込んだグラフを簡単きれいに書く方法をご紹介します!

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目次

GraphPad Prismを起動してカラムプロット用のデータを入力する

GraphPad Prism を起動して、ようこそ画面で「カラムプロット」を選択します。

データテーブルは、「新規テーブルへのデータの入力/インポート」を選択します。

オプションは、「列に繰り返し値を入力」を選択します。

カラムプロットを選択

用意するデータは、カテゴリ群別の連続データです。

例として、6 つのエサの種類によって、ひよこの体重が異なるかどうかをダネット検定で比較するという多重比較実験データを用います。

GraphPad Prism のデータテーブルには、群の名前を書き入れて準備をしておきます。

カラムプロットテーブルのカラム名を入力する

エクセルに入力されたデータを、カテゴリ群のかたまりでコピーを取ります。

エクセルデータイメージ

このデータは縦方向に積み重なっていますが、群ごとにまとまっていれば、GraphPad Prism のデータテーブルと同じように複数列方向に並んでいるデータでも構いません。

該当する群の下にペーストします。

カラムプロットデータを貼り付ける

それぞれの群の連続データをコピー&ペーストすると、以下のとおりになります。

このとき、群ごとのデータ数が異なっていても構いません。

カラムプロット用データを貼り付け完了したところ

平均エラーバーグラフを書く

左端のカラムのグラフセクションにある、「データ 1」をクリックします。

左端カラム グラフのデータ 1 をクリック

グラフ形式の変更窓が開きます。

平均値/中央値と誤差のプロットの中の、左から二番目をクリックします。

グラフフォーマット 平均とエラーバーを選択

列平均、エラーバーグラフが選択されました。

もちろん、標準で選ばれている棒グラフをそのまま使う方法でも OK です。

プロットは、SD 付き平均値のままで OK です。

グラフのフォーマット 列平均とエラーバーを選択

OK をクリックすると、以下のようにグラフができます。

タイトル、X 軸ラベル、Y 軸ラベルは、いずれも、クリックすると変更できます。

グラフのタイトルや軸ラベルはクリックして変更可能

以下のように、タイトルと、軸ラベルを書き入れると、一気に論文用グラフの雰囲気になります。

グラフ タイトル変更済み

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GraphPad Prismでダネット検定を実行する

左端カラムの結果セクションにある、「新しい分析」をクリックします。

左端カラム 結果をクリック

すると、データ分析窓が開きます。

分析方法カラムで、カラム分析の「1-way ANOVA」が選択されていることを確認して、OK をクリックします。

分析窓 ANOVA

パラメータ窓が開くので、タブを一つ一つ確認していきます。

実験意図タブでは、特に設定をいじらず次のタブに行きます。

今回は、独立した 6 群の比較なので、何もいじりません。

分析 実験意図タブ

繰り返し測定タブは、クリックしてもすべてグレーアウトしています。

これは、繰り返し測定データではないからです。

次のタブに行きます。

分析 繰り返し測定タブ

多重比較タブの、比較方法は?で、「各列の平均をコントロール列の平均で比較する」を選択します。

列は、コントロールにする群を選びます。

今回は、horsebean を選択します。

分析 多重比較タブ

コントロール列は、プルダウンメニューになっていて、自由に選ぶことができます。

分析 多重比較タブ 選択肢説明

オプションタブでは、多重比較の修正で検定を「Dunnett(推奨)」を選びます。

分析オプションタブ

検定の種類は、プルダウンメニューからほかの方法を選ぶこともできます。

分析オプションタブ(選択肢説明)

OK をクリックすると、検定結果が出力されます。

多重比較のタブをクリックして、結果を確認します。

ANOVA 結果

horsebean をコントロールとしたときの、その他の群との比較結果を調整済み P 値として出力します。

いずれの比較も 0.05 と比較して、0.05 より小さい値であれば、95 % の信頼度で統計学的有意と言うことができます。

ダネット検定結果

GraphPad Prismでダネット検定の結果をグラフに書き入れる

ダネット検定の結果をグラフに書き入れるには、リボン内の図形セクションの「*」マークボタンをクリックします。

グラフ内アスタリスク付けるボタン

すると、グラフにどの群間に有意差があるか、そのp値がどのくらいかを*の数で示してくれます。

グラフ未完成(ns 含む)

統計学的有意の組み合わせのみを残して、ns(not significant、有意でない)を削除するには、*のボタンの右の▼をクリックして、「ペアごとの比較結果の形式」から調整します。

グラフのアスタリスク調整メニュー

ペアごとの比較結果の形式窓の外観タブ中、表示する P 値セクションで、「P 値の大きさが次の値以下の比較のみ」を選択します。

グラフのアスタリスク(統計学的有意に絞る)

そして、OK をクリックすると、ns の比較は、削除されて、P 値が 0.05 以下の比較のみが残ります。

グラフ完成形

これで、多重比較の平均エラーバーグラフにダネット検定の結果を書き入れたグラフができました。

まとめ

GraphPad Prism で ダネット検定で多重比較を行った結果を書き入れたエラーバー付き平均値グラフの書き方を解説しました。

エラーバー付き平均値グラフは、ほかのソフトでもがんばればなんとか書けますが、検定の結果を書き入れるのは、かなり苦労します。

検定自体を行ってくれて、その結果をグラフに簡単に書き込める GraphPad Prism は、研究結果まとめフェーズにおける、グラフ作成の手間を大幅に減らしてくれます。

興味を持った方は、試してみてはいかがでしょうか?

参考サイト・トライアルサイト

医学統計解析ソフト GraphPad Prism 9

 

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第1章臨床研究ではなぜ統計が必要なのか?計画することの重要性
  • 推定ってどんなことをしているの?
  • 臨床研究を計画するってどういうこと?
  • どうにかして標本平均を母平均に近づけられないか?
第2章:研究目的をどれだけ明確にできるのかが重要
  • データさえあれば解析でどうにかなる、という考え方は間違い
  • 何を明らかにしたいのか? という研究目的が重要
  • 研究目的は4種類に分けられる
  • 統計専門家に相談する上でも研究目的とPICOを明確化しておく
第3章:p値で結果が左右される時代は終わりました
  • アメリカ統計協会(ASA)のp値に関する声明で指摘されていること
  • そうは言っても、本当に有意差がなくてもいいの…?
  • なぜ統計専門家はp値を重要視していないのか
  • 有意差がない時に「有意な傾向があった」といってもいい?
  • 統計を放置してしまうと非常にまずい
第4章:多くの人が統計を苦手にする理由
  • 残念ながら、セミナー受講だけで統計は使えません。
  • インプットだけで統計が使えない理由
  • どうやったら統計の判断力が鍛えられるか?
  • 統計は手段なので正解がないため、最適解を判断する力が必要
第5章:統計を使えるようになるために今日から何をすれば良いか?
  • 論文を読んで統計が使えるようになるための5ステップ
第6章:統計を学ぶために重要な環境
  • 統計の3つの力をバランスよく構築する環境

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