この記事では、「GraphPad Prismはどんな解析ソフト?基本的な使い方」としてお伝えします。
統計解析ソフトの一つに、GraphPad Prismがあります。
GraphPad Prismはその名の通り、グラフ化を最も得意とする、といっていいほど綺麗なグラフを作ることができる統計ソフト。
この記事では、GraphPad Prismの特徴をお伝えするとともに、データの8つの型の紹介と、そしてデータのインポート/エクスポート方法をお伝えします。
GraphPad Prism9の特徴
統計解析ソフトの一つとしてGraphPad Prismがあります。
他の統計解析ソフトとの違いとしてまず挙げられるのは、グラフ化が得意な統計ソフト、ということ。
もちろん、他の解析ソフトで実施できるような統計解析も実施可能。
ただ、本当に作成されるグラフが素晴らしいため、「他の解析ソフトでは解析はできるんだけど、グラフのビジュアルがイマイチ…」という悩みを抱えている方にはオススメできる統計ソフトです。
EZRとGraphPad Prismでの棒グラフの違い
じゃあどれぐらいグラフとして異なるのか?ということなのですが、EZRの棒グラフとGraphPad Prismでの棒グラフを比較してみます。
データは同じものを使っています。
↓EZRでの棒グラフ
↓GraphPad Prismでの棒グラフ
好き嫌いはあるとは思いますが、GraphPad Prismでの棒グラフの方が、私個人としてはかなり見やすい印象があります。
しかもGraphPad Prismでは、X軸やY軸のタイトルも容易に変更可能。
EZRだと、軸のタイトル修正にはちょっとプログラムの知識が必要です。
GraphPad Prismには8つのデータの型がある
GraphPad Prismは、綺麗なグラフを作ることができる一方で、グラフ作成のためにデータの型を把握する必要があります。
データや実験デザインに対して適切なデータの型を選択することで、適切な解析と適切なグラフ作成が可能になるんです。
注意点としては「作成するグラフのタイプをもとにしてデータテーブルを選択しない」ということ。
あくまで「データや実験デザインに対して適切なデータの型を選択する」ことが重要です。
8つのデータテーブルの型は、この通り。
- XYテーブル
- Columnテーブル
- Groupedテーブル
- Contingency
- Survivalテーブル
- Parts of wholeテーブル
- Multiple variablesテーブル
- Nestedテーブル
それぞれ、詳しく見ていきましょう!
GraphPad Prismのデータの型1:XYテーブル
XYテーブルは、上記の通り全てのポイントがXとYの両方で定義されるテーブルです。
反復測定する場合には使えるテーブル。
線形もしくは非線形回帰に適している型です。
GraphPad Prismのデータの型2:Columnテーブル
Columnテーブルは、各列が「群」を示している場合のテーブルです。
先ほど示した棒グラフも、このテーブルから作成しました。
GraphPad Prismのデータの型3:Groupedテーブル
GroupedテーブルはColumnテーブルと似ていますが、「群」の他に「サブグループ」も定義したい時のテーブル。
各列が「群」を示しており、行にサブグループ(例えば男女など)で分けるようなテーブルです。
GraphPad Prismのデータの型4:Contingency
分割表の数値が入力されているテーブル。
Groupedテーブルのような型ですが、カテゴリカル変数に対して使用するテーブルです。
GraphPad Prismのデータの型5:Survivalテーブル
カプランマイヤー曲線などの生存時間解析を実施するためのテーブルです。
各行は1人の被験者になるようにデータを作成し、群は別々の列にして作成するのが重要。
生存時間解析の中でも、Cox比例ハザードモデルは「Multiple Variables」テーブルを使って解析するため、この型ではないのに注意。
GraphPad Prismのデータの型6:Parts of wholeテーブル
円グラフを作成する場合によく使われるテーブル。
各水準の合計に対する割合をグラフ化したい時に用います。
円グラフ作成のためだけに型が設けられているのは驚きですね。。。
GraphPad Prismのデータの型7:Multiple variablesテーブル
他の多くの統計ソフトのようなデータの形式。
行は1被験者のデータで、列は異なる変数を示しています。
GraphPad Prismのデータの型8:Nestedテーブル
階層的なデータ構造がある時に使われる。
例えば、群が異なる被験者に、反復測定している場合などですね。
GraphPad Prismのデータのインポートとエクスポートの方法
データの型が理解できたところで、まずはご自身のデータをGraphPad Prismへインポートし、そしてデータをエクスポートするという基本的な操作を理解しましょう。
エクセル(CSVファイル含む)を使うことが多いと思うので、エクセルからのインポートとエクスポート方法をお伝えします。
GraphPad Prismへのデータインポート方法
インポートの方法は2つあります。
- コピーして貼り付ける
- インポート機能を使う
コピーして貼り付ける方法
手順1:データセットからコピー(2行目からコピーする)。1行目からコピーしてしまうと、1行目の列名がそのままデータとして認識されてインポートされるからです。
手順2:File > New Data Table and Graph…を押します。
手順3:Data tableでEnter or import data into a tableを選択します。
手順4:Clipboard > Paste Dataで貼り付けます。
貼り付けた結果は、以下の通り。ちゃんと貼り付けられていますね。
インポート機能を使う方法
手順1:File > New Data Table and Graph…を押します。
手順2:Data tableでEnter or import data into a tableを選択します。
手順3:貼り付けたいセルを選択し、Import > Import fileを選択
手順4:インポートしたいファイルを選択。
このままインポートしてしまうと、1行目に列名がデータとして格納されてしまいます。
そのため、1行目は列名であることを指定するために「Placement」でColomn titlesで「Use values in row」を1に指定してあげます。
これでインポートしてあげると、ちゃんと列名になってインポートされます。
GraphPad Prismからデータエクスポート方法
では次に、データをエクスポートする方法をお伝えします。
エクスポートの方法は2つあります。
- コピーして貼り付ける
- エクスポート機能を使う
コピーして貼り付ける
まずはコピーして貼り付ける方法。
まずは、GraphPad Prismのデータを選択して右クリックし、コピーします。
エクセルに貼り付けるだけ。
エクスポート機能を使う
次に、エクスポート機能を使う方法です。
GraphPad Prismの右上の方にExportボタンがありますので、それをクリック。
そして、ファイルフォーマットを指定してエクスポートすればOKです。
(エクセルで開きたいのであれば、CSV形式で保存します)
まとめ
コメント
コメント一覧 (3件)
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