臨床試験での多重性の例(αエラーの増大)

臨床試験でも多重性は重要な問題です。

それでは、実際にはどのような問題が起こってしまうのか。

例を考えてみましょう。

 

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多重性の問題を考えなければならないのは,αエラー

さいころを例にとり,多重性の概念を学びました。

そしてその多重性とは,統計的検定でも起こります。

それは,検定を2回以上実施した時です。

この時に,多重性の問題を注意深く考えなければならないのは,αエラーです。

αエラーは,効果がない薬を効果があると結論づけてしまいますので,患者の不利益につながります。

つまり,最終的に薬は国によって承認されますので,国は患者さんに不利益を与えるような薬剤を提供したくないと考えているためです。

そのため企業としても,αエラーが5%未満に保たれるような試験を実施しているか,という観点は非常に重要になります。

 

検定を複数回実施した時に,αエラーはどれだけ増大するか?

1回の検定でαエラーを5%に保っている検定を複数実施した場合,当然ですが,全体としてのαエラーは増大します。

例えば検定を2回実施した場合,1回でも有意になる確率はこのように定義できます。

 

検定を2回実施した場合に1回でも有意になる確率: 1-(2回とも有意にならない確率)

 

有意にならない確率は、1-有意になる確率、です。

つまり、1-0.05=0.95 ですね。

では、2回とも有意にならない確率は。

0.95*0.95です。

 

だから、1-(2回とも有意にならない確率)は1-0.95*0.95=9.75%となります。

つまり,2回検定を実施した場合,1回でも有意になるという全体のαエラーは9.75%となってしまうのです。

これでは、αエラーを5%未満にしなさいと言われているのに、大きくなってしまっていますね。

 

数撃ちゃ当たる理論

多重性の問題は,つまるところ「数撃ちゃ当たる」ということです。

αエラーを5%にするということは,20回に1回は間違いを許容するということです。

そのため、データに対して100回ぐらい検定を実施して,P値が0.05を下回る結果があったぞー!!と言っても,それは多重性によりたまたま0.05を下回ったにすぎない可能性が高いです。

 

では複数の検定を実施したいときにはどうすればよい?

多重性によって検定結果が信頼のおけない結果になることは分かりました。

ただそれでも,複数の項目・複数の時点で検定を実施したい場合,どうすればよいでしょうか?

基本的にはどうにかして1回にする,検定に順番を付ける,有意水準を分ける,といった方法が考えられます。

詳しくはこちらのページを参照ください!

 

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多重性という言葉を聞いたことがありますか?知っている方も、どうすればそれを回避できるか知っていますか?色々と知っているこ…

 

まとめ

  • 多重性によるαエラーの増大が,医薬品開発にとって問題となる。
  • どうしても複数回の検定を実施したい場合には,全体のαエラーが5%未満になるように制御する必要がある。

 

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