この記事では「EZRで級内相関係数(ICC)を計算する方法!95%信頼区間も算出できる」ということでお伝えします。
- 級内相関係数(ICC)ってそもそもなんだったっけ?
- EZRで級内相関係数(ICC)を算出する方法
- 算出された級内相関係数(ICC)の結果の見方
ということでお伝えしていきますね!
級内相関係数(ICC)をちょっとだけ復習
EZRで級内相関係数(ICC)を算出する方法をお伝えする前に、まずは級内相関係数に対して復習しましょう。
級内相関係数(ICC)とは、連続量である検査の信頼性を確かめる指標です。
信頼性といっても以下の2つの意味があります。
検者内信頼性:同じ人が何回検査をしても同じ値が出る
検者間信頼性:誰が検査をしても同じ値が出る
信頼性が高い検査とは、”誰が検査を何回とっても、常に同じ値が出る検査”のことです。
級内相関係数はその検査の信頼性が高いかどうか確かめる指標、というわけです。
では級内相関係数(ICC)はどれだけ種類があるのでしょうか?
大きく分けると3種類あり、そこから細かく分けることで合計6種類が知られています。
その6種類とはこちら。
よく用いられるのは、ICC(1,1)とICC(2,1)の2つですね。
そのためこちらの記事でも、ICC(1,1)とICC(2,1)の2つに関してEZRで算出する方法をお伝えしていきます。
EZRで級内相関係数(ICC)は計算できる?
級内相関係数(ICC)に関して復習できたところで、本題。
EZRで級内相関係数(ICC)が計算できるか?ということですが、結論から言うと、EZRのクリックで解析できる部分では不可能です。
じゃあ諦めるしかないのか、といえば、そうではないです。
なぜなら、EZRの画面でRのスクリプトを実行して解析することは可能だからです。
EZRは裏でプログラミング言語のRが動いています。
そのRのプログラムをEZRで動かせることができるため、その機能を使って級内相関係数を計算していきましょう。
EZRでRのスクリプトを実行して級内相関係数(ICC)を計算する
では早速、EZRで級内相関係数(ICC)を計算していきましょう。
まず必要になるのは、irrというパッケージです。
そのため、Rコンソールから「パッケージとデータ」>「パッケージインストーラ」を開きます。
そして、irrを検索して一覧を取得し、依存パッケージも含めてインストールします。
そうすることで、EZRで級内相関係数を計算する準備ができました。
このirrの使い方はとても簡単で、級内相関係数の6種類に対して、下記のようなプログラムを書けばOKです。
実際にEZRで級内相関係数(ICC)を算出する
ではパッケージirrがインストールできたところで、実際にやってみます。
20行2列の架空データを使っていきます。
まずは、先程インストールしたパッケージirrを呼び出します。
パッケージはインストールしただけでは使えなくて、呼び出すところから始めます。
じゃあどうすればいいのか?というと、EZRの画面の「Rスクリプト」にプログラムを記載して実行すればOK。
具体的には「library(irr)」と記載して、実行します。
これで級内相関係数(ICC)を計算する準備ができました。
先程の架空データは「stdat」という名前をつけていますので、ICC(1,1)とICC(2,1)を算出するためには以下の通りにプログラムを記載します。
EZRの画面の「Rスクリプト」にプログラムを記載して実行しましょう。
すると、結果が出力されました。
計算方法自体はそんなに難しくなかったかなと思います。
EZRで級内相関係数(ICC)を実行した結果!95%信頼区間も出力される
では、出力された結果を簡単に見ていきます。
まずは、ICC(1,1)の結果から。
注目すべきは以下の2点。
この結果を見ると、ICC(1,1)=0.767であり、95%CI=(0.507 < ICC < 0.9)であることがわかります。
次に、ICC(2,1)の結果です。
この結果を見ると、ICC(2,1)=0.775であり、95%CI=(0.368 < ICC < 0.916)であることがわかります。
まとめ
いかがでしたか?
この記事では「EZRで級内相関係数(ICC)を計算する方法!95%信頼区間も算出できる」ということでお伝えしました。
- 級内相関係数(ICC)ってそもそもなんだったっけ?
- EZRで級内相関係数(ICC)を算出する方法
- 算出された級内相関係数(ICC)の結果の見方
ということが理解いただけたのなら幸いです!
こちらの内容は動画でもお伝えしておりますので、合わせてご確認くださいませ。
コメント