今回の記事では「EZRでメタアナリシスを実施する方法!フォレストプロットや異質性の評価も」ということでお伝えします。
- メタアナリシスとシステマティックレビューってそもそもどう違うの?
- EZRでメタアナリシスをする方法は?
- メタアナリシスを実施した結果の解釈方法は?
ということをわかりやすくお伝えしていきますね!
メタアナリシスとは?システマティックレビューとの違いは?
EZRでメタアナリシスを実施する前に、システマティックレビューとメタアナリシスの関係について整理しておきましょう。
システマティックレビューは研究を網羅的に調査し、同じような研究をまとめ、バイアスを評価しながら分析・統合することを指します。
メタアナリシスは「複数の研究の結果を統合する」統計解析手法のこと。
メタアナリシスの特徴的なことは「必ず数値的な評価が実施される」ということであり、システマティックレビューは必ずしも数値的な評価が必要ではありません。
そのため、システマティックレビュープロセスの中にメタアナリシスが実施されることもあります。
EZRでメタアナリシスを実施する方法
システマティックレビューとメタアナリシスの関係について整理できたところで、早速EZRでメタアナリシスを実施していきましょう。
今回の記事では
- アウトカムが2値のカテゴリカルデータである場合のメタアナリシス
- アウトカムが連続量である場合のメタアナリシス
の2つに関して解説していきますね。
アウトカムが2値のカテゴリカルデータである場合のメタアナリシス
まずは、EZRでアウトカムが2値のカテゴリカルデータである場合のメタアナリシスを実施していきましょう。
EZRでメタアナリシスを実施するのに必要なデータの作り方
メタアナリシスをする上でまず疑問になるのが「どんなデータを作ればいいの?」ということ。
「どんなデータを作ればいいの?」に対する答えとしては「統計解析ソフトの機能から必要な変数を逆算して考えてみませんか?」ということですね。
EZRではどんなデータが必要なのか、実際に見てみましょう。
「統計解析」>「メタアナリシスとメタ回帰」>「比率の比較のメタアナリシスとメタ回帰」を見てみます。
すると下記のようなウインドウが出てきますので、5つが変数として必須だとわかります。
その5つの変数とは下記の通り。
- 研究の名前
- テスト群のイベント発生数
- テスト群のサンプル数
- コントロール群のイベント発生数
- コントロール群のサンプル数
つまり、2値のカテゴリカルデータに対してメタアナリシスをしたければ、統合したい論文から上記の5つを抜き出してCSVとしてまとめればよい、ということがわかります。
ということで、実際に上記の5つに関して、架空のデータを作ってみました。
各論文からこのように数値を持ってくればOK、ということです。
EZRで2値のカテゴリカルデータに対するメタアナリシスを実施する
では上記の架空データでメタアナリシスをやってみましょう。
「統計解析」>「メタアナリシスとメタ回帰」>「比率の比較のメタアナリシスとメタ回帰」を選択します。
すると下記のようなウインドウになりますので、
- 変数は適切に選択する
- 下の部分は全てにチェックを入れる
- オッズ比を選択
という感じで設定します。
そしてOKを押すと、メタアナリシスの結果が出力されます。
アウトカムが連続量である場合のメタアナリシス
まずは、EZRでアウトカムが連続量である場合のメタアナリシスを実施していきましょう。
EZRでメタアナリシスを実施するのに必要なデータの作り方
メタアナリシスをする上でまず疑問になるのが「どんなデータを作ればいいの?」ということ。
「どんなデータを作ればいいの?」に対する答えとしては「統計解析ソフトの機能から必要な変数を逆算して考えてみませんか?」ということですね。
EZRではどんなデータが必要なのか、実際に見てみましょう。
「統計解析」>「メタアナリシスとメタ回帰」>「平均値の比較のメタアナリシスとメタ回帰」を見てみます。
すると下記のようなウインドウが出てきますので、7つが変数として必須だとわかります。
その7つの変数とは下記の通り。
- 研究の名前
- テスト群の平均値
- テスト群のサンプル数
- テスト群の標準偏差
- コントロール群の平均値
- コントロール群のサンプル数
- コントロール群の標準偏差
つまり、連続量に対してメタアナリシスをしたければ、統合したい論文から上記の7つを抜き出してCSVとしてまとめればよい、ということがわかります。
ということで、実際に上記の7つに関して、架空のデータを作ってみました。
各論文からこのように数値を持ってくればOK、ということです。
EZRで連続量に対するメタアナリシスを実施する
では上記の架空データでメタアナリシスをやってみましょう。
「統計解析」>「メタアナリシスとメタ回帰」>「平均値の比較のメタアナリシスとメタ回帰」を選択します。
すると下記のようなウインドウになりますので、
- 変数は適切に選択する
- 下の部分は3つにチェックを入れる
という感じで設定します。
そしてOKを押すと、メタアナリシスの結果が出力されます。
EZRで実施したメタアナリシスの結果を解釈する
EZRでメタアナリシスを実施できましたので、その結果を解釈していきましょう!
フォレストプロットの見方は?
まず出力されるのがフォレストプロットです。
フォレストプロットは、全体の結果に対して個々の研究結果がどれだけばらついているか?ということを把握できるグラフ。
上側が個々の研究結果、下側が統合した結果を示しています。
上記のフォレストプロットに対しては
- 全体の結果はオッズ比が5.52(固定効果モデル)
- 個々の結果も全体的に右側(オッズ比が1より高い方向)にある
- 統合した結果、テスト群の方がイベント発生が多い
ということがわかりますので、統合した結果(メタアナリシスの結果)、テスト群の方がイベント発生が多い、という結論を導くことができます。
異質性の評価
上記のフォレストプロットでは、「固定効果モデル」の結果に注目しました。
固定効果モデルの結果を採用すべきか、変量効果モデルの結果を採用すべきかというのは、異質性の評価を参考にします。
フォレストプロットの左下のHeterogeneityの部分が異質性の評価部分です。
異質性が大きい(=Heterogeneityの%が高い)場合には、研究間での結果がばらついている、という解釈になります。
- 異質性が高い場合、統合した結果は変量効果モデルの結果を採用する
- 異質性が低い場合、統合した結果は固定効果モデルの結果を採用する
という使い分けをするため、今回は固定効果モデルでOK、ということです。
出版バイアスの評価(funnelプロット)
最後に、出版バイアスの評価です。
点が各研究を示していて、今回では、左下(オッズ比が小さくてばらつきが大きい部分)の研究結果がないということがわかりますね。
理想としては三角形の中に満遍なく点が入っていて欲しいところなのですが、だからといって「今回のメタアナリシスは失敗」ということではないです。
「ここの部分の研究はないのね」という確認程度でOK。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では「EZRでメタアナリシスを実施する方法!フォレストプロットや異質性の評価も」ということでお伝えしました。
- メタアナリシスとシステマティックレビューってそもそもどう違うの?
- EZRでメタアナリシスをする方法は?
- メタアナリシスを実施した結果の解釈方法は?
ということが理解できたのなら幸いです!
この記事の内容は動画でもお伝えしていますので、あわせてご確認くださいませ。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 出版バイアスがある場合、メタアナリシスを実施したとしても偏った結果にしかならないため、公平な評価ができなくなります。 […]