EZRで検出力(パワー)を計算する方法と論文の書き方!【2群の平均値と比率の比較】

この記事では、EZRで検出力を計算する方法をお伝えします。

具体的には、以下の4つが分かるようになります!

  • そもそも検出力とはなんだっけ?
  • 2群の平均値を比較するための検出力をEZRで計算する方法
  • 2群の割合を比較するための検出力をEZRで計算する方法
  • 実際に論文で検出力を記載するにはどうすればいい?

EZRでサンプルサイズ計算をする方法はこちらの記事で記載していますが、今回は検出力。

事前にサンプルサイズ計算をしていない場合、結果的にこのサンプルでどれだけの件出力があったのか?という「事後的検出力」を計算する事がありますよね。

その方法をお伝えしていきます!

 

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目次

そもそも検出力(パワー)ってなんだったっけ?

最初に検出力をおさらいしておきます。

検出力(Statistical Power:パワー)は、「検出力=1-βエラー」という計算式で表す事ができます。

βエラー「真実に差があるのに検定結果で有意にならないエラー」のことを指すので、1-βエラーで示される検出力は群間に違いがあるときに正しく違いがあると有意差を示すことができる確率」と言い換える事ができます。

「臨床的に意味のある差が出たのに有意差が伴っていない」場合には、検出力不足が大きな原因である事が多いので、事後的検出力(このサンプルサイズではどれぐらいの検出力があるのか)を示す事がある、というわけです。

2群の平均値を比較するための検出力を計算!具体例

では最初に、2群の平均値を比較するための検出力を計算していきましょう。

具体例があるとわかりやすいと思いますので、下記の例を考えます。

2群の平均値を比較するための検出力計算例

新薬とプラセボ群で、かゆみのVAS(Visual Analogue Scale)の変化に効果があったのか調べた。

  • 新薬群:9名、かゆみのVASの変化率の平均値は40%の低下
  • プラセボ群:9名、かゆみのVASの変化率の平均値は10%の低下
  • 2群を併合した標準偏差は25%、有意水準は5%

という結果が得られた場合の、事後的検出力はいくらか。

このような数値が得られた場合の事後的検出力の計算方法はすぐにわかりますか?

次の章で実際にEZRで計算していきましょう!

 

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EZRで2群の平均値を比較するための検出力を実際に計算!

では実際に、上記の例での2群の平均値を比較するための検出力をEZRで計算していきましょう。

下記の図のように「統計解析」→「必要サンプルサイズの計算」→「2群の平均値の比較のための検出力の計算」の順に選択していきましょう。

以下の画面になるので、先ほどの例にあるように「2群間の平均値の差」と「2群共通の標準偏差」、「αエラー」「各グループのサンプルサイズ」を入力しましょう。

新薬群で40%の平均変化率の低下、プラセボ群で10%の平均変化率の低下でしたので、その差は30%ですから、平均値の差には30を入れることに注意してください。

OKを押すと、計算結果として0.721(72.1%)の検出力があった事がわかります。

検出力は80%に設定されることが多いですが、今回は80%には少し届かないくらいの検出力であることが分かりました。

 

2群の割合を比較するための検出力を計算!具体例

では次に、2群の割合(比率)を比較するための検出力を計算していきましょう。

具体例があるとわかりやすいと思いますので、下記の例を考えます。

2群の割合(比率)を比較するための検出力計算例

抗がん剤Aと抗がん剤Bで、1年後の奏功割合に違いがあったのか調べた。

  • 抗がん剤A群:15名、奏功割合は50%
  • 抗がん剤B群:10名、奏功割合は25%
  • 有意水準は5%

という結果が得られた場合の、事後的検出力はいくらか。

このような数値が得られた場合の事後的検出力の計算方法はすぐにわかりますか?

次の章で実際にEZRで計算していきましょう!

 

EZRで2群の割合を比較するための検出力を実際に計算!

では実際に、上記の例での2群の割合(比率)を比較するための検出力をEZRで計算していきましょう。

下記の図のように「統計解析」→「必要サンプルサイズの計算」→「2群の比率の比較のための検出力の計算」の順に選択していきましょう。

以下の画面になるので、先ほどの例にあるように「各グループの割合(比率)」「αエラー」「各グループのサンプルサイズ」を入力しましょう。

OKを押すと、計算結果として0.11(11%)の検出力があった事がわかります。

かなり検出力は低い事がわかりますね。

 

事後的検出力を論文に記載するときの例

では計算された事後的検出力はどんな感じで論文に記載すればいいのでしょうか?

こちらにある論文がとてもわかりやすかったので、紹介しますね。

>>事後的検出力を丁寧に記載している論文

その論文のStatistical analysisを見るとこんな感じで記載されておりました。

この論文から学べることとしては

 

  • 事後的検出力はStatistical analysisに記載すれば良い
  • 計算したときの設定(平均の差、SD、有意水準など)も丁寧に記載する
  • 検出力が大きい・小さいの議論は特に不要

 

ということですね。

 

まとめ

この記事ではEZRで事後的検出力を計算する方法としてお伝えしました。

  • そもそも検出力とはなんだっけ?
  • 2群の平均値を比較するための検出力をEZRで計算する方法
  • 2群の割合を比較するための検出力をEZRで計算する方法
  • 実際に論文で検出力を記載するにはどうすればいい?

ということが学びになったのなら幸いです!

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第1章臨床研究ではなぜ統計が必要なのか?計画することの重要性
  • 推定ってどんなことをしているの?
  • 臨床研究を計画するってどういうこと?
  • どうにかして標本平均を母平均に近づけられないか?
第2章:研究目的をどれだけ明確にできるのかが重要
  • データさえあれば解析でどうにかなる、という考え方は間違い
  • 何を明らかにしたいのか? という研究目的が重要
  • 研究目的は4種類に分けられる
  • 統計専門家に相談する上でも研究目的とPICOを明確化しておく
第3章:p値で結果が左右される時代は終わりました
  • アメリカ統計協会(ASA)のp値に関する声明で指摘されていること
  • そうは言っても、本当に有意差がなくてもいいの…?
  • なぜ統計専門家はp値を重要視していないのか
  • 有意差がない時に「有意な傾向があった」といってもいい?
  • 統計を放置してしまうと非常にまずい
第4章:多くの人が統計を苦手にする理由
  • 残念ながら、セミナー受講だけで統計は使えません。
  • インプットだけで統計が使えない理由
  • どうやったら統計の判断力が鍛えられるか?
  • 統計は手段なので正解がないため、最適解を判断する力が必要
第5章:統計を使えるようになるために今日から何をすれば良いか?
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