感度と特異度を分かりやすく!HbA1cで糖尿病は分けられる?

分割表の話題の中で、よく感度と特異度の話が出てきます。

医療の分野では、検査キットやバイオマーカーの開発で出てきますね。

今日は、その辺のお話。

ちなみに感度は英語でSensitivity。

特異度はSpecificityです。

 

分割表に関する基礎的な知識は、こちらで解説しています。

 

 

 

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感度と特異度の定義

ある疾患を判定できる検査キットがあったとします。

すると、このような分割表ができますね。

 

疾患あり

疾患なし

合計

検査陽性

A

B

A+B

検査陰性

C

D

C+D

合計

A+C

B+D

A+B+C+D



疾患のありなし×検査の陽性陰性の、2×2分割表。

AとDは正解なので、問題ない。

でも、BとCは間違いです。

Bは、検査で陽性と判定されたのに、疾患なし。

Cは、検査で陰性と判定されたのに、疾患あり。

 

この時、A/(A+C)を感度と呼びます。

D/(B+D)を特異度と呼びます。

 

つまり、感度と特異度はこういうことです。

 

感度:患者さんをどれだけ検出できる検査なのか?を示したもの。

特異度:患者さんじゃない人をどれだけ検出できる検査なのか?を示したのもの。

 

当然ですが、感度も特異度もどっちも良ければ、それは良い検査であることを示しています。

 

感度と特異度、どっちも一緒にはよくならない

感度と特異度、どちらも良い検査が理想です。

ですがここで問題があります。

それは、感度と特異度は、同時に良くならないということです。

図で示したほうがわかりやすいので、例を見てみましょう。

 

HbA1cで糖尿病を判定したい

5人の糖尿病ありの人と、5人の糖尿病なしの人、合計10人いたとします。

そして、HbA1cを基に、検査結果が陽性と陰性に分けたい。

そんな場合を想定します。

以下のような状況です。

赤い丸は糖尿病ありの患者さんを示しています。

青い丸は糖尿病なしの患者さんを示しています。

このとき、HbA1cのどこかで閾値を作りたいとします。

そして、その閾値以上であれば糖尿病あり、閾値以下であれば糖尿病なし、と判定します。

ではまず、特異度が100%になるところに閾値を設定したとします。

すると以下のように緑の線が引けます。

この時の感度はどうなるでしょうか。

5人の糖尿病ありの人のうち3人は陽性になるので、3/5=60%ですね。

 

では次に、感度がより高くなる方向に閾値をずらしてみます。

つまり、下の方に閾値をずらす、ということです。

上から4番目の人も陽性になるように緑の線を引きなおすと、以下のようになります。

すると、感度は80%に上がりました。

ですが、特異度は80%に下がりました。

今度はさらに、感度がより高くなる方向に閾値をずらしてみます。

上から5番目の人も陽性になるように緑の線を引きなおすと、以下のようになります。

すると、感度は100%に上がりました。

ですが、特異度は60%に下がりました。

 

この一連の流れから分かるように、感度と特異度は同時に良くすることはできないということです。

つまり、トレードオフの関係にある。

ここは重要ですので、ぜひ理解してください。

 

じゃあ、感度と特異度は、どっちを優先するの?

感度と特異度がどっちも一緒によくすることは無理。

そして、閾値によって操作できる。

それは分かった。

じゃあ、次にこんな疑問がわきますよね。

「感度と特異度は、どっちを優先すればよいのだろうか。」

あなたなら、どう回答しますか?

 

答えとしては「場合による」です。

・・・ズルいですね。。

でも、本当にそうとしか言いようがありません。

 

例えば、がん検査だったら。

絶対に、感度を良くします。

だって、がんは放っておけば死んでしまいます。

「あなたは患者である」と言われないと、治療が開始されずにそのまま死へ向かっていきます。

だから、患者じゃない人を多く拾ってきたとしても、患者が見逃されないように感度を高くする必要があります。

 

でも、慢性疾患だったら。

それほど感度を上げなくてもいいですね。

むしろ、患者じゃない人に投与をして、変な副作用を起こさせるほうが嫌です。

だから、ある程度感度を犠牲にしてもいい。

そんな考え方ができます。

 

まとめ

  • 感度と特異度は、検査キットやバイオマーカーの開発でよく出てくる。
  • 感度:患者さんをどれだけ検出できる検査なのか?を示したもの。
  • 特異度:患者さんじゃない人をどれだけ検出できる検査なのか?を示したのもの。
  • 感度と特異度は、トレードオフの関係にあり、同時に良くなることはない。
  • 感度と特異度の優先の仕方は、場合によりけりである。

 

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