この記事では、JMPで対応のあるT検定を実施する方法をお伝えします。
- 対応のあるデータってそもそもどんなデータだっけ?
- 対応のあるT検定をJMPで実施する方法は?
- JMPで実行した対応のあるT検定の結果の解釈の方法は?
ということをお伝えしていきますね。
対応のあるデータってそもそも何?
「対応あるデータ」とは、同一のサンプルから得られたデータである、という意味です。
例えば、A群の現在の血液データと1ヶ月後の血液データを比較したい場合、どちらも「A群」という同じサンプルから得られているデータのため、「対応あり」ということになります。
一方で、A群の現在の血液データと、B群の1ヶ月後の血液データを比較したい場合には、A群とB群の異なるサンプルのデータを比較することになるため、「対応なしのデータ」と言えます。
対応なしのデータの場合には、「StudentのT検定」や「WelchのT検定」(いわゆる対応のないT検定)を実施するのが適切です。
JMPで対応のあるT検定を実施!「対応のあるペア」から解析する
「対応あるデータ」がどんなデータか理解できたところで、JMPで対応のあるT検定を実施していきます。
今回はJMPのサンプルデータにある「Lipid Data」を使います。
「Lipid Data」は「ヘルプ」>「サンプルデータ」から、医学研究の中にあります。
想定する例題としては、「現在の体重と3年後の体重の平均値が異なるかどうか」を比較したいと思います。
現在の体重と3年後の体重は、同一のサンプルから得られているため、対応ありのT検定を実施することが適切です。
ここで注意したいのが、対応ありのT検定の場合、比較するデータ(例えば今回のように、現在の体重と3年後の体重の2種類)は異なる列に入力しておく、ということです。
実際にJMPで対応のあるT検定をやってみる
それでは実際にJMPで対応のあるT検定をやっていきましょう。
対象となるデータ(今回はLipid Data)を開いた状態で「分析」>「発展的なモデル」>「対応のあるペア」を選択します。
そして、「Y,対応のある応答」に体重と体重3年後の2つを入れてOKを押します。
すると、「対応のあるペア」の結果(対応のあるT検定)が表示されました。
ノンパラメトリックのWilcoxonの符号付順位和検定は赤い三角形から実施可能
上記のP値は対応のあるT検定結果が出力されています。
対応のあるT検定は、パラメトリックな検定ですよね。
一方で、ノンパラメトリックな対応のある検定である、Wilcoxonの符号付順位和検定をやりたい時もあるかなと思います。
その場合には、「対応のあるペア」の左にある赤い三角形を押します。
そして、Wilcoxonの符号付順位和検定を押します。
すると、下記の通りWilcoxonの符号付順位和検定の結果が出力されます。
JMPで出力された対応のあるT検定の結果を解釈する
検定をすると必ず気になる結果はp値ですよね。
なので、p値を確認します。
JMPでは対応のあるT検定を実施するとp値が3つ出ていることがわかります。
一般的には両側検定のp値を見ることでOKですので、常に1番上のp値を確認することで問題ありません。
今回の結果は「有意差なし」であるため、「今回のデータでの体重と3年後の体重の母平均に差があるとはいえない」、という結論になります。
決して「今回のデータでの体重と3年後の体重の母平均は同じである」という結論にはならないので注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか??
この記事では、JMPで対応のあるT検定を実施する方法をお伝えしました。
- 対応のあるデータってそもそもどんなデータだっけ?
- 対応のあるT検定をJMPで実施する方法は?
- JMPで実行した対応のあるT検定の結果の解釈の方法は?
ということが理解できたのなら幸いです!!
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