T検定は、 2群間比較の「平均が等しいか」を調べるときに用いる検定です。
この記事では統計解析ソフトJMPを用いてT検定を行う方法を、わかりやすく説明していきます。
また、JMPで出力されるT検定の結果の解釈についても説明していきます。
JMPでT検定!そもそもT検定とは?
T検定は正規分布に従う2つのグループ(母集団)の平均が等しいかどうかを調べる検定です。
T検定には
- 二つの母集団が等分散を仮定する: Studentのt検定
- 二つの母集団が等分散を仮定しない: Welchのt検定
の二種類があります。
詳しくは、以下の記事で説明していますのでご覧ください。
>>>T検定とは?帰無仮説と対立仮説を必ず確認!F検定で等分散の確認が必要?
もし比較したいグループが3つ以上ある場合は、多重性の問題が出てきますよね。
>>多重性とは?その意味と統計検定のp値を解釈する上で重要なこと
の記事も参考にしてください。
それでは、早速、統計解析ソフトJMPを用いてT検定を行っていきましょう。
JMPでT検定を行う方法をわかりやすく解説!
この記事ではJMP公式サイトを参考に、JMPでのT検定の方法を見ていきます。
ちなみにJMPにはT検定を行うというボタンは存在しないです。
JMPでは二変量の関係に関して一元配置分析の中にT検定が含まれています。
>>>分散分析とは?分散分析表の見方やf値とp値の意味もわかりやすく!
T検定を実施するデータを読み込む
自分たちのデータを解析する場合は、
[ファイル] > [開く]から解析したデータを開いてください。
ExcelやCSV形式のデータを開くことができます。
この記事では、JMPにすでに用意されているサンプルデータを使います。
[ヘルプ] > [サンプルライブラリー]をクリックします。
すると、次のサンプルデータのディレクトリのウィンドウが出てきます。
今回はこの中の”Big Class.jmp”を使います。
この”Big Class.jmp”をダブルクリックすると、以下のウィンドウが出現します。
この”Big Class.jmp”は
身体測定の結果、「年齢」と「性別」、「身長(インチ)」、「体重(ポンド)」のデータ
がまとめられたデータです。
ここでは、”Big Class.jmp”のデータを用いて、「年齢」と「体重(ポンド)」の関係を見ていきます。
JMPでT検定を実施するには「一元配置分析」を選ぶ
それでは、実際に解析を行なっていきます。
[分析] > [二変量の関係]をクリックします。
すると次のウィンドウが出現します。
[Y, 目的変数]に「体重(ポンド)」を選択します。
[X, 説明変数]に「年齢」を選択します。
選択が終われば[OK]をクリックします。
すると、次のウィンドウが出現します。
これは「体重(ポンド)」と「年齢」の関係を表したグラフです。
縦軸は「体重(ポンド)」、横軸は「年齢」を表しています。
ちなみに、JMPではこのようなグラフを出力するときに、横軸の幅が揃っていません。
このグラフだと、14歳のところが広くて、17歳のところが狭いです。
この広さのはサンプルサイズの多さと関係しています。
それではT検定を行っていきましょう。
JMPでのT検定: Studentのt検定とWelchのt検定?
T検定には
- 二つの母集団が等分散を仮定する: Studentのt検定
- 二つの母集団が等分散を仮定しない: Welchのt検定
の二種類があります。
>>>T検定とは?帰無仮説と対立仮説を必ず確認!F検定で等分散の確認が必要?
ここでは、Studentのt検定を用います。
先ほど見たウィンドウの左上の▼クリックします。
次に、[平均の比較] > [各ペア, Studentのt検定]をクリックします。
するとT検定の結果が出力されます。
今回のT検定は次にような条件で行われました。
今回のT検定ではp値がAlpha値より小さいさいときに有意に差があるとしています。
右のAlpha値0.05が、その水準値(有意水準)です。
つまり、p値が0.05よりも小さいとき、有意差があるということです。
ここで棄却限界値という難しい言葉が出ていますが、これはT検定の考え方に由来します。
詳しくは、
>>>帰無仮説とは?対立仮説との違いを例題で簡単に。検定で棄却できないときは?
をご覧ください。
JMPでT検定を実施した結果の見方
T検定の結果は一番下の「差の順位レポート」に記載されています。
この表の見方ですが、一番上から順に平均差が大きかった順に並んでいます。
一番上は、今回は年齢ごとのグループなので、”17歳と13歳の体重の差のT検定の結果”を表しています。
表の一番右はp値が書かれています。
p値が、0.05より小さいものは優位に差があるとして、”*”がつけられ、色が付いています。
ただ、これだけ沢山のt検定を行っているので、多重性の問題も起こっています。
>>多重性とは?その意味と統計検定のp値を解釈する上で重要なこと
の記事も参考にしてください。
JMPでT検定まとめ
- JMPにはT検定を行うというボタンは存在しない
- JMPでは一元配置分析(分散分析)を行なった後、T検定を行う
動画でもJMPでT検定を実施する方法を解説していますので、併せて確認していただけると理解が深まるかと思います
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