バイアスとは何?どうすれば良いの?

臨床試験を実施する上で、統計的に必ず気にしなければならないことが2つあります。

その2つの考えとは以下の通りです。

①バイアス(偏り)を避けること

②精度を確保すること

このページでは、まずはバイアスと精度の違いを明らかにします。

そして、バイアスとは何か、どんなバイアスがあるのか、そしてバイアスがなぜ厄介なのかを考えていきます。

 

広告

臨床試験を実施する上で統計的に重要な2つのこと

①バイアス(偏り)を避けること、②精度を確保すること。

この2つは臨床試験を実施する上で統計的に考えるべき重要なことです。

ダーツの例を見ながら、この2つの違いを明らかにしましょう。

 

 

私たちが目指すべきは、真ん中の図です。

ダーツの的の真ん中に矢が3本とも刺さっている状況です。

このとき、偏りは小さく、精度は高いといえます。

 

一方で左の図では、3本とも同じような場所に刺さっていますが、右下に集まってしまっています。

このとき偏りは大きいですが、精度は高いということができます。

 

最後に右の図ですが、3本がばらばらな場所に刺さっており、その3本が右側に集まってしまっています。

このとき偏りは大きいし、精度も低いといえます。

 

このダーツの例をそのまま統計の話に置き換えると、真ん中が得たい値(真の値)です。

そして、ダーツの矢が実際に得られた値です。

つまり、3本の矢の集まり具合が精度を表しており、矢がどれだけ真ん中から離れているかということがバイアス(偏り)を示しています。

私たちは、計画段階でどれだけデータを真ん中に集中して集められるかということを意識する必要があります。

 

バイアスとは何か?

ICH E9では,偏り(バイアス)を以下のように定義しています。

ちなみにICH E9とは「臨床試験のための統計的原則」について、という文書で、臨床試験に携わる方であれば、必ずや一度は目を通しておくべき文書です。

こちらにリンクを貼っておきますね。

 

 

では話を戻して、ICH E9でのバイアスの記載です。

 

臨床試験の計画、実施、解析及び結果の解釈と関連した因子の影響により、試験治療の効果の推定値と真の値に系統的な差が生じること

 

なかなか難しい説明なので、平易な言葉に言い換えましょう。

 

何かが原因で,効く薬が効いていない(効かない薬が効いている)という試験結果になってしまうこと

 

ということです。

その「何か」を我々は出来るだけ排除しなければならないのです。

 

3種類あるバイアス

バイアスは大きく分けて3種類あります。

①選択バイアス

②情報バイアス

③交絡バイアス

 

これらの詳しい情報は、こちらのページで解説しています。

 

一番優しい、医薬品開発に必要な統計学の教本

統計とはデータが出てからしか使わないのでしょうか?いいえ、それよりももっと重要なことがあるのですよ。それを知ってください…

 

バイアスは、試験の様々な段階で生じる可能性がある

バイアスは、あらゆる場面で生じる可能性があります。

例を挙げると、このような場面で生じる可能性があります。

 

  • 臨床試験の計画段階
  • 臨床試験の実施や解析の段階
  • 試験治療効果の評価の段階

 

例えば試験の計画段階であればどのようなバイアスが考えられますか。

症例の割付の仕方が不適切であり,リスクの低い患者が一方の試験治療に系統的に割付けられる場合などが挙げられますね。

 

バイアスが厄介な理由

偏りが厄介なのは,結果的にどの段階で偏りが生じたのかを,事後的に評価したり直接測定できず,排除することが出来ないという点です。

結果が出た後に「今回の結果にはこれだけバイアスが入っているから、それを考慮して結果を解釈しよう」ということができません。

つまり、その試験の結果が「バイアスを含んだ結果なのか、真の結果なのかを知ることはできない」ということです。

そのため、偏りとなる原因は事前に特定し,出来るだけ避けるための方策を考えなければなりません。

 

ランダム化と盲検化

臨床試験で偏りを回避するための最も重要な計画上の技法は、盲検化とランダム化です。

盲検化に関しては、こちらのページを参照してください。

 

一番優しい、医薬品開発に必要な統計学の教本

統計とはデータが出てからしか使わないのでしょうか?いいえ、それよりももっと重要なことがあるのですよ。それを知ってください…

 

ランダム化に関しては、こちらのページを参照してください。

 

一番優しい、医薬品開発に必要な統計学の教本

統計とはデータが出てからしか使わないのでしょうか?いいえ、それよりももっと重要なことがあるのですよ。それを知ってください…

この「盲検化」と「ランダム化」は、承認申請に利用することを目的とするほとんどの比較臨床試験で標準的に採用すべきである,とICH E9でも書かれています。

 

まとめ

臨床試験では偏りを最小にするための計画を立てなければならない。

偏りを回避するための最も重要な方法は,盲検化とランダム化である。

 

統計検定2級対策もできる

無料動画の統計授業

 

 

無料動画で統計を学びませんか?

 

・この数式、何を言っているのか全くわからない・・・ 

・統計を学びたいけど、何から手をつけていいのだろう・・・

・統計検定2級を受験したいけど、どう勉強したら・・・

・もう自力で統計を学ぶのに疲れました・・・

 

あなたはそんな悩みを抱えていませんか?

大丈夫です。

最後の手段があります。

どこにもない、統計の無料メルマガ。