この記事では「Bland-Altman分析とはどんな解析手法?対応のあるデータをプロットで視覚的に把握」としてお届けします!
- Bland-Altman分析って聞いたことあるけどどんな目的で使われる?
- Bland-Altman分析の見方は?
- JMPではどのようにしてBland-Altman分析を実施できる?
といったことがわかるようになります!
Bland-Altman分析(ブランドアルトマン分析)とは?
結論から言うと、Bland-Altman分析(Bland-Altmanプロット)はグラフ化の一種。
どんな時に用いるのかといえば、ペアデータ(対応のあるデータ)の一致度合いを視覚的に確かめるための手法、ということになります。
例えば、2種類の検査キットによる測定値の一致性の確認などにも使える手法。
結構いろんなところにも応用できそうですよね。
Bland-Altman分析(Bland-Altmanプロット)の例
Bland-Altman分析(Bland-Altmanプロット)の例を見てみると、以下のようなグラフです。
これは「現在の体重」と「3年後の体重」の対応のあるデータをBland-Altmanプロットとして示したもの。
- 横軸:1回目(現在の体重)と2回目(3年後の体重)の平均値
- 縦軸:1回目(現在の体重)と2回目(3年後の体重)の差
であり、これらを個人ごとにプロットしたものです。
前述の通りBland-Altman分析の目的はペアデータ(対応のあるデータ)の一致度合いを視覚的に確かめるための手法ですので、縦軸が0付近のところにデータがあれば一致度合いが高く、0より遠いところにデータがあれば一致度合いが低い、ということになります。
Bland-Altman分析以外に一致性の指標は?
Bland-Altman分析の目的はペアデータ(対応のあるデータ)の一致度合いを視覚的に確かめるための手法でした。
ではグラフではなく、数値として一致性の指標を見ることはできるのでしょうか?
連続変数の場合、一致性の指標は級内相関係数(ICC)が該当します。
そしてカテゴリカル変数の場合、一致性の指標はkappa係数が該当します。
そのため、Bland-Altman分析(プロット)と一緒に示すべき指標は、級内相関係数(ICC)かkappa係数が相応しい、ということですね。
JMPでBland-Altman分析をしてみた結果
Bland-Altman分析(プロット)がなんなのか、といった全体がわかったところで、統計解析ソフトのJMPで実際に解析してみようと思います。
JMPでは、対応のあるデータの解析をするとBland-Altmanプロットを表示してくれます。
先程お示ししたグラフは、ちょうどJMPで解析した際のグラフなんです。(再掲します)
JMPでは対応のあるデータに対しては、デフォルトでBland-Altman分析をしてくれるようになっている、ということですね。
JMPの解析結果でBland-Altmanプロット以外に何が出力されている?
先程のプロットの下には、このような分析結果が示されています。
- 各測定値の平均
- 差の平均と95%CI
- P値(Paired t test(対応のあるt検定))
- 相関係数
上記4つがデフォルトで出る設定です。
そのほかにも、オプションでWilcoxonの符号付順位和検定(対応のあるノンパラの検定)も実施可能。
Wilcoxonの符号付順位和検定(対応のあるノンパラの検定)を実施した結果は、以下のように出力されます。
Bland-Altmanプロットは個々のデータの可視化なので、推定値(平均値)の可視化には棒グラフが良い
上記の通り、Bland-Altmanプロットは一つ一つのデータがプロットされるため、推定値よりも個々のデータのばらつき度合いを可視化して示す目的には有益かと思います。
ただ、対応のあるt検定を実施した場合などは、平均値の違いを知りたいことが多いと思いますので、平均値(推定値)の違いを単純に棒グラフと信頼区間を並べる方が適切かなと思います!
まとめ
いかがでしたか。
この記事では「Bland-Altman分析とはどんな解析手法?対応のあるデータをプロットで視覚的に把握」としてお届けしました。
- Bland-Altman分析はペアデータ(対応のあるデータ)の一致度合いを視覚的に確かめるための手法
- 2種類の検査キットによる測定値の一致性の確認などにも使える
- JMPでは対応のあるデータの解析でデフォルトで出力される
といったことが理解できたのなら幸いです!
こちらの内容は動画でも解説していますので、あわせてご確認くださいませ。
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