帰無仮説と対立仮説。あなたはどっちの仮説を採択したい?

・帰無仮説って何・・・?
・対立仮説って・・・?
・そもそも検定するのになんで仮説が必要なの?

統計の検定といえば、P値が0.05を下回るかどうか。
それだけを考えていませんか?
確かにそれだけ知っていれば、結論の部分は解釈できます。

でも、ちゃんと仮説を知っておくことはすごく大切です。
なぜなら、P値がどういう考えで算出されるかを知ることで、試験のデザインを読み取ることができるためです。
もしあなたが、試験や実験を計画する立場であれば、仮説の理解は必須でしょう。

それほど難しい概念ではないので、是非とも理解しましょう!

差があることを,直接証明することは難しい

統計的検定の論理は,少しひねくれています。
どうひねくれているか。
「差がないことを否定することによって,差があることを証明する」
からです。
つまり、差があることの証拠を見つけるのではなく,差がないことの証拠を見つけることをします。
それにより、「差がないことはない→だから差があるでしょ」ということを言うのです。
ここでいう「差がない」という仮説、そして「差がある」という、2つの仮説があることで,統計学的検定は仮説検定とも呼ばれています。

犬と人は違うって、どうやって証明できる?

ここであなたに問題です。
「犬と人は違う」っていうのはどうやって証明できますか?

(どうやっても何も、見た目が全然違うじゃん・・・)
(何言ってるんだろ・・・)

そんな声が聞こえそうですww
でも、例としてはこれぐらい差がはっきりしているものが良いです。
この例を、統計的な仮説検定に落とし込んでみましょう。
明らかに違いがありそうな犬と人。
でも、証明するって難しいです。
だから、以下のように証明していきます。

1. 一度、「犬と人は同じ」と仮定する。
一旦、「犬と人は同じ」と仮定するのです。
証明したいのは「犬と人は違う」なのに、一度同じとみなしてみる。
ここがスタートになります。

2. 同じと仮定すると矛盾する点を見つける
次に、同じだと仮定すると、矛盾してしまう点を挙げていきます。
例えば、こんなものが考えられますね。
  • 2足歩行と4足歩行
  • 尻尾の有無
  • 全身の毛の有無
  • etc…
あなたは、どれだけ挙げられましたか?

3. すごく矛盾する点が多いので、 「犬と人は同じ」という仮定が間違っていたのだとする
2番目で、矛盾する点が多くあることに気づきました。
つまり「犬と人は同じ」という仮定をすることが間違っていたのだと気付いたのです。

4. よって、犬と人は違う、と結論づける



犬と人の例を、新薬とプラセボに置き換えてみる

犬と人の例と同じことを、新薬とプラセボに置き換えてみます。

1. 一度、「新薬とプラセボの効果は同じ」と仮定する。

2. 同じだと仮定すると矛盾する点を見つける
例えば、糖尿病の新薬だったら、HbA1cの低下具合の違い。
抗がん剤の新薬であれば、生存率の違い。
これらを、どれだけ新薬とプラセボで違いがあるのかを示します。

3. すごく違いが見つかったので、「新薬とプラセボの効果は同じ」という仮説が間違っていたと気付く

4. よって、「新薬とプラセボの効果は違う」と結論づける

これが、統計的な仮説検定の大枠です。
理解できましたか?


統計用語で置き換えてみる

先ほどの2つの例で挙げた、1~4を、統計用語を使って説明します。

普通の教科書では、ここしか出てきません。
でも今のあなたは、例を理解しています。
スポンジに水が入ってくるような吸水力で吸収できるでしょう。

  1. 帰無仮説を立てる
  2. P値を算出し、有意水準(0.05)より小さいことを証明する
  3. 帰無仮説を棄却する
  4. 対立仮説を採択する

これが、統計の専門用語で示した1~4です。
あなたも一度は見たことがあるのでは?



無に帰したい仮説:帰無仮説

統計的仮説検定でよく見る「帰無仮説」。
文字通り、最終的には「無に帰したい仮説」です。

今回の例では、「犬と人は同じ」や「新薬とプラセボの効果は同じ」が帰無仮説です。
特徴は、本当に示したいことの逆が帰無仮説になる、ということ。
英語ではNull hypothesisと呼ばれます。


証明したい仮説:対立仮説

無に帰したい仮説がある。
じゃあ、本当に証明したい仮説もある、ということですね。
本当に証明したい仮説のことを「対立仮説」と呼んでいます。
英語ではAlternative hypothesisですね。


まとめ

  • 統計学的検定を実施する際には,「帰無仮説」及び「対立仮説」を立てる必要がある。
  • 仮説検定とも呼ばれるのが、この2つの仮説を立てるからである。
  • 帰無仮説は無に帰したい仮説,対立仮説は採択したい仮説である。





もう、自力で統計を学ぶことを諦めていませんか?

まだ大丈夫です。

こちらさえ見れば。


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